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平成初期型!!  作者: 稲田心楽
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5ページ目

 

「彩乃、ありがとう。なんかね、ずっとモヤモヤしてたのがちょっと消えたわ」


「……。でも、納得はいかないでしょ?」


「性格的に白黒はっきりさせたいタイプなんやけど、世の中そんな簡単やないな」



 彩乃の言うように納得などいかない。おそらくどんな答えであっても。だが、シンプルに前に進みたいのだ。誰の為でもない、これからの自分の為に──。



「彩乃の話しも詳しく聞きたいな」


「私? 私はもう乗り越えたから。それより凄い嫌な事があるねん」


「何? 何でも相談乗るで」



 彩乃はストローが入っていた紙を丸めながら言った。



「今のグループがめっちゃストレスやねん」


「えっ? いつも一緒にいてるのに?」



 話しによると、幼なじみのルカが高飛車安奈と仲良くなり、仕方なく3人で連むようになったようだ。



「安奈とは合わないって事?」


「あまり他人の悪口言う人とは一緒にいたくないねん。なんか疲れるしね」


「わかる気がする。高2の時そうやったわ。あまり合わない連れの中で愛想笑いばっかりやった」


「近本君も? そうそう! 安奈が行きたい言うたら何処にでもついて行かなあかんみたいな」



 どうりで毛色が違うと思った。ルカは見た目的にチャラチャラしていて、いかにも安奈の子分ですみたいな感じだが、彩乃はどちらかと言うと孤高のイメージだ。



「あのグループでは、彩乃はちょっと違うよね。品があるというか」


「めっちゃ褒めてくれるね。近本君も群を抜いて男前やけど」


「いやいや、江戸やんには敵いません。あいつ、そのままデビュー出来るやん」


「そうかな。私は近本派かな。」


「派閥とかあるんや。彩乃はバスケット部のエースみたいな感じやな」


「あるよ。大体、近本君か梅野君やな。バスケットは中学までやっててん。右膝を怪我して辞めたけど。何故か、女子にはモテてた」



 彩乃曰く、大きく近本派か、梅野派に分かれているらしい。一瞬、梅野って誰か分からなかったが、話しの流れ的に江戸やんの事だろうと思った。未だにメンバーの本名が直ぐに出てこない。



「何か、激励会みたいになってるな」


「ほんまに。近本君、お願いが一つあるねん」


「何?」


「学校で友達いてないからなってくれる?」


「いいけど、安奈がうるさいやろ」


「分からんように友達なって。安奈また怒るから」


「分かった! 今日から友達やな!」

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