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平成初期型!!  作者: 稲田心楽
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6ページ目

 

「なんとか林て誰?」


「いや、江戸やんが面白いって言ってたやーつ」


「やーつとかすでに面白いんだけど」


「ホームルームでお笑いやる奴やな。何か胡散臭い奴でちょっとウザいな」



 リー君は、極細の眉毛がへの字になるぐらい苦虫を噛み潰した顔をした。



 とりあえず、リーダーであるレプの意見を聞こうと思った。



「てかさ、仲間にしてくれとか何か違う気がするんやが」


「そうや。俺もそう思う。その辺が胡散臭い」


「近ちゃんは喋ったんだろ? どう思ったの?」


 江戸やんの質問にどう答えていいか分からなかった。何故なら、彼の名前で遊んだ事、それに対して、鋭いツッコミだったなぐらいしか残ってなかったからだ。



「いやいや。黙っちゃったよ。仲間にしてくれって言われたんだろう?」


 ぶっちゃけた話し、どうでもよくなっていた。彼を仲間にすれば、楽しいのは容易く想像付くが、そもそも“仲間”って何なんだろう。



「あかんわ。近ちゃん、キャパオーバー」


「いやいや、おかしいだろ、レプ。どう思ったのと聞いただけでキャパオーバーとか」


「近ちゃんは、多分、“仲間”の定義について考えてるんやと思う」


「それな! レプ、仲間ってなんやろ?」


「それは、暴走族の元リーダーに聞いたほうが良いな」


「待て待て! お前急やねん。フリが」



 江戸やんもレプも、頭を抱えるリー君を見て爆笑している。僕もそれに誘われるように笑った。要はこういう事なんだと思った。“仲間”なんてものは。



「めっちゃおもろそうな話ししてますやん。わても仲間に入れてくんなはれ」



 教室の前の廊下で腹を抱えて笑っていたら、噂の彼が輪に入ってきた。



「あっ! 館なんとか君や!」


「あんさん、名前でボケるん好きでんな。館林ね。いい加減覚えましょう」


「お前かい! 仲間になりたいだの面倒くさい事言っとるんは」



 リー君が軽く睨みを利かせたが、彼は白目をむいて天を仰いだ。


「あかん。見たら石になる」


「なるか!」



 彼とリー君のやりとりがツボにハマった。レプも江戸やんも爆笑していた。当の本人のリー君も腹を抱えて笑っていた。


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