表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
平成初期型!!  作者: 稲田心楽
22/121

5ページ目

 

「近本はんに権限ありまへんのんか?」


「ないない。雑魚ですから」


「近本はんで雑魚なら、わてなんかどないなりまんねん」



 僕は、正直に自身の現状やメンバーの事を話した。



「何やて? おたくら、やりまくってんちゃいまんのんか?」


「どうせ藤川やろ。下らん噂流してんの」


「でも、その話しがほんまやったら、逆にもっとメンバーに入れてもらいたいたくなりましたわ」


「いや、干上がってるから。レプ以外は」


「レプて誰だんねん?」



 彼は、大阪でも河内の出身なのか、同じ関西弁でも少し癖があった。



 とりあえず、あだ名でしか覚えていない事を館林君に伝えた。



「まさかとは思うけど、天然でっか?」



 よく言われるワードだ。僕自身は、普通に受け答えをしているつもりだが、相手にとってはそうは感じてないらしい。



「とにかくや、メンバーに入れてもらえるように、そのレプはんに話ししておくんなはれ」


「わかった。館森君」


「いや、館林ね。“林”の方ね」


「うん。二階堂君」


「いや、もう全く別人やから。そこまでいくと」



 そういうと、彼は教室から出ていった。その入れ替えに藤川達が教室に戻ってきたが、僕は目を逸らしたら負けだと思ったので彼女達を目で追った。金魚の糞の最後尾にいた背の大きな女が、僕にまたお辞儀をした。僕も釣られてお辞儀をしたら、彼女は、右手で口を隠して笑っていた。何故笑ったのか気になった。そして、敵対する僕に何故頭をペコリと下げたのか──。僕はわざともう一度彼女を見た。すると、また彼女がお辞儀をしたのだ。よく考えてみると、彼女を見た時彼女もこちらを見ていた事になる。



『2度ある事は3度ある』よく耳にする言葉だ。僕は、もう一度彼女を見た。



『……』



 彼女は右手で小さく手を振っていた。完全に僕に向けてのものだった。藤川ともう1人の金魚の糞は、お喋りに夢中で、背の高い彼女はその中に入っていないようだ。僕は、何故か変に照れ臭くなって教室から出ていった。



「おっと、近ちゃんお目覚め?」


「おうおう、僕を置き去りにしたな」



 レプ達が食堂から戻ってきた。



「いや、後から来るかなと思って」


「それはそうと、お前等が食堂行ってる時、なんとか林って奴が話しかけてきたぞ」






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ