え、おれブラックパーティーに入っちゃった? と彼は思った('Д')
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本日二度目の投稿です。
意外と筆が進んだので投稿しました。
明日も投稿したいと思うのでよろしくお願いします。
ダンジョンを出て家路に着く。
時計を持っていなかったから正確な時間がわからなかったが、意外なことにまだ日が高い。腹が随分と空いていたので適当な飯で昼食をとろうと提案したが、マホちゃんから拒否された。
周囲にはおれ達と同じようにダンジョンから出てきた人混みでいっぱいになっている。ダンジョン内の飲食店の混み具合と今の状況を引き合いに出されて、結局家で食べることを逆に提案されたのだ。
「でも、家に食べ物なんてないぞ」
「作ればいい。材料もスーパーで買っていこう」
「…えぇ」
心底嫌そうな顔で大和田さんはうなだれている。
うん、そもそもなんでこの人付いてきてるんだろう? そう疑問に思ったがそれを言うのはさすがに躊躇って、結局自宅近くのスーパーに来てしまった。
材料はマホ姉ちゃんがてきぱきと選んでいる。時折大和田さんが口を出しては買い物かごに二、三品追加していく。
おれ?
おれはもちろん買い物カートを押す役目だ。あとは時たまマホちゃんや大和田さんから聞かれたことに玉虫色の返答をするのみである。男は黙ってカートを押すのだ。
ぶっちゃけ相当腹が減ってたのでなんでもよかったのである。
と。
「あ」
がらがらとカートを押しているとそんな声が聞こえた。聞こえたのは前方から。冷凍食品や(業務用、と言えばいいのか)アイスの棚が並ぶ場所でのこと。声の主は両手にアイスを抱え、パーティーメンバーが押している買い物カートに搭載しているところだった。搭載という言い方に自分で疑問が浮かんだが、目の前の光景はその言葉がぴったりだと思った。業務用アイスがところ狭しと乗っている。
「なにしてんだ、お前」
「いや、昼飯を買いに」
両手にアイスを抱えたまま、奴はおれを問いただしてきた。これまでのように威圧感はない。一瞬身構えた自分が馬鹿らしくなるくらいあっさりとしたものだった。
「あ、お姉ちゃん!」
別の少女の声が響いた。
見れば、見知った少女が喜色満面で近づいてくる。
カホ。
マホちゃんの妹である。
カホはそのままマホちゃんに抱きついた。
「こらこら。時と場合を考えなさい」
「やだ! お姉ちゃんはダンジョンから帰って疲れた私をねぎらうべき!」
「まったく。私たちだって帰ってきたばかりなんだが」
やれやれと言いながらマホちゃんはカホの頭をなでている。なんだろう、こうしてみると真っ当なお姉ちゃんをやている。時折見せるヤンデレみたいな雰囲気はやっぱりバグっているせいなのか。
そう考えるとおれのスキル(?)はいろんな意味でやばいのかもしれない。
「…ちょっと」
がらがらと音がして隣にカートが並んだ。
ジト目でおれを睨んでいる少女はどこか不機嫌そうにしている。
ミキ。
こいつもカホ達と同じパーティーに所属している。
勇者パーティー。
この地区どころか全国区で注目されている冒険者パーティーが目の前にいる。
「なんだよ」
「…! そっちこそなによ」
「は?」
「ふん!」
何故かそっぽを向かれた。
意味がわからない。
付き合いは長いが、こいつのこんな反応は始めてみた。前回の一件もあってちょっと警戒していたがそれを見抜いたのか、どこか拗ねたように「もうしないから」と若干強い語調で言われた。
「…これ、いくらなんでも偏りすぎてませんか?」
「うおっ! なんだよ、あんた。てか、でけえ…!」
馬鹿が初対面の人間に失礼なことを言っている。
重苦しい雰囲気を纏った大和田さんにビビっているのか、若干弱腰になっているのが面白い。
大和田さんは胸やけしそうな顔でアイスをのぞき込んでいた。
「まったく、何をやってるんだお前等は? どうせダンジョンで一稼ぎしたから無駄遣いをしてるんだろう? 限度ってものを考えないか」
「ば、ち、違うよ! たまたまアイスが安かったから」
「一つ数千円するアイスがか? まったく、これだから子供にお金を持たせちゃ行けないんだろうな」
「ぐっ! いいじゃんか、自分達で稼いだ金でお菓子買ったぐらいでグダグダ言うなよ!」
マホちゃんが先生モードだ。
図星を突かれた馬鹿は顔を真っ赤にして否定している。
ダンジョンで稼ぐ。
あいつらはあんだけアイスを買い込む程度の現金を手に入れたのんだろう。腐っても勇者パーティーだ。
普通の中学生が稼ぐ額とは段違いの稼ぎがあるに違いない。
そこで気づいた。
「マホちゃん!」
「ん?」
「今回の探索の報酬ってないのっ?」
小鬼の巣の駆除と神託にあったモンスターの排除。
前回のダンジョン探索はマホちゃんがほとんどやったから聞かなかったが、今回はおれも働いた。
報酬があれば分け前もあるはずだ。
おれはそういう期待を持って聞いたが、
「ん、もちろんあったぞ? ただお前の分はないがな」
そんなことを綺麗な笑顔で言われてしまった。
え、マジで?
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