鍛錬あるのみと彼は思った('Д')
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明日も投稿するのでよろしくお願いします!
「なん、じゃと?」
信じられない者を見るようにクソガキはおれをに見ている。というか、いくらなんでも狼狽えすぎだ。
子供のようにと思ったが、リアクションが大仰すぎて芸人みたくなっている。
意外と演技派なのかと思ったが、多分素でやっている。いくらなんでも屈託がなさ過ぎる。
そんなどうでも良いことを考えていると、
「お主、ホモか…?」
何故かそんなことを言われた。
「な・ん・で・だ・よ…っ!」
「あだっ、頭を掴むとは不敬…あだだだだ! や、やめんかぁああだだだだだっ!」
このクソガキが…っ!
渾身の力でクソガキの頭を握り締める。ルシエルの力を借りようと思ったが何故か彼女は答えない。
構わず力を込め続け、ようやくクソガキは静かになった。
「いだい…、わかった、わしが悪かった…」
「わかりゃいんだ、わかりゃ」
手の力を抜く。
よほどショックだったのか、クソガキは未だにぐずっている。
「…ぐず、わし悪くないもん」
「あ?」
「ひぃっ! やめろ、手をにぎにぎするな! なんじゃ、お主がこんなむさい男が相棒だとか言いだすからじゃろ! 折角べっぴんさんを用意してやったというのに!」
「その話詳しく聞かせろ」
べっぴんだと?
美女って事かっ!
なるほど確かにダンジョンとくれば金銀財宝に冒険、そして美女! ていうかこれが一番大事! なるほど、まさしく今のおれに足りない要素だ!
クソガキらしからぬ慧眼に敬意を抱くと同時に今までの自分がどれだけ愚かだったかを自覚した。
「おい」
みしりと音がして肩が潰された。
いや、比喩じゃない。マジで肩がつぶれたのだ。
激痛に絶叫を上げそうになったができなかった。強烈な殺気を背後から浴びせられ、完全に肉体が硬直した。
やばい。
これはがちでやばい。
鬼丸から感じた殺気とは次元が違うそれにゆっくりと背後へ視線を向けた。
「美女なら、ここにいるぞ?」
心臓が止まるかと思った。
いや、実際止められたのかもしれない。
マホちゃんの笑顔はそれだけ壮絶だったのだ。
※
「とにかく、やってしまったものは仕方がない。やり直しはきかないのだから、あとは現状でどれだけのことができるか考えてやりくりするしかないだろう」
「いや、お前が殺したんじゃろ…」
「さて、これで神託は成った。まずは家に帰って風呂にでも入ろう。飯を食って寝て、それからこれからのことを考えよう」
クソガキの言葉を無視してマホちゃんは場の締めに入った。
右肩が痛い。
殺気は消えて気分は楽になったがその分痛みがぶり返してきた。
マホちゃんのやつ、マジでやりやがった。
脂汗が浮き、激痛に視界がちかちかしてきた。怒りを向けようにもあんなゴリラにどうやって反撃すればいいのか。
とにかくぶら下がった右腕をなんとかしようと左腕を伸ばして、
「あれ?」
急に痛みが消えた。
不自然なほどにあっさりと。
一瞬意味が分からなかったが、すぐに納得できた。
そうか、大和田さんが言ったのは本当だったのか。
その事実になんとも言えない高揚感を覚えた。
おれはまだまだ強くなれる。
その事実がなによりもうれしかった。




