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罰当たりって意外に重たいもんなのかもと彼は思った('Д')

久しぶりの投稿になります。

中々投稿できず申し訳ありませんでした。

明日も投稿したいと思います。

何卒よろしくお願いします。

「なんだ、随分と妙な雰囲気になってるな」


 三本目のコーラをあけたころ、マホちゃんが何事もなかったかのように戻ってきた。


 不思議そうにおれたちを見比べ、大和田さんから新しいコーラを受け取っている。


 どうでもいいが、大和田さんはどうやってきんきんに冷えたコーラを保存しているのだろう。気のせいじゃなければ彼女の手の中に突然現れたように見えた。


「…男子のノリがキツいです」


「そんなことを気にする性格じゃないだろうに」


「私は繊細な乙女なんです。…それで、どうなりました?」


「うん、思った通りだ。どうやら私は人間をやめてしまったらしい」


「ついにゴリラになりましたか」


「はは、ぶっ殺すぞ」


 穏やかな表情からは考えられないほど物騒な言葉の応酬。相変わらずのきわどいノリに呆れつつ、おれはマホちゃんへと意識を向けた。


 見た限りそれほど変化はない。外見的な変化よりも内面的な変化が起きているはずだが、そういう変化もないように見えた。


 コーラに口を付けた後、マホちゃんはおれを見た。


「ハチ、これ」


 ぽいっと何かを投げてきた。


 反射的に受け取る。堅い感触がした。その上、妙に生暖かい。


「…血?」


「角だ」


「は?」


「だから、角だよ。これで目的は果たした」


 マホちゃんの言葉が端的すぎて意味がわからなかった。そもそも目的ってなんだ。


 ふと、あのクソガキとのやりとりを思い出した。


「これが、あの時話してた化け物の角だってのかよっ?」


「そうだ。だからとっとと帰るぞ」 


 満面の笑みで言うマホちゃん。


 受け取った物体を見れば確かに角に見えなくもない。こびりついた赤い液体が紛れもない血だったことになんとなくげんなりした気分になった。


「…はぁ、やっぱり」


 おれ以上にげんなりした表情の大和田さんがどんよりとした目で角を見ている。


「どうだ、私は強いだろ?」


 ふふん、とマホちゃんは胸を張っている。おれとしては手間が省けた分よかったが、どうにもそういう流れでもないらしい。


 どんよりとした目のまま、大和田さんは口を開いた。


「神託では彼が倒すべきだったはずですが?」


「仕方がないだろう。ハチは疲れている。パーティーメンバーとしてそういう時に役に立てなければ意味がないじゃないか」


「その思考自体は素晴らしいものですが、狙いはその後でしょう? 本当、どんどん変わっていきますね貴方」


「構わないさ。これでも十年近くうじうじしていた女だぞ。自分に正直に生きられる方が何倍も良い」


「理解できません」


 ため息と共に大和田さんは背中を丸めた。


 具合が悪くなったわけじゃないだろうから、気分が沈んだことを示しているんだろう。


「ハチ君」


 大和田さんからじろりと鋭い眼光を向けられた。 


 どうでもいいが、この人がおれを呼ぶときの呼称がめちゃくちゃになっている。八郎様だったり、ハチ君だったり。個人的には八郎様がストライクだったんだが。


 そんなどうでもいいことを考えていると、


「覚悟して下さい。神託を破ったという事は神に逆らったという事。その代償は貴方が想像するよりも遙かに重いですから」

  

 大和田さんはそう言葉を続けた。


 脅し文句。


 そう言うにはどこか迫力があって、おれはなんとなく何も言えなくなってしまった。

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