友達っていいねと彼は思った('Д')
なんとか今日も更新出来ました。
明日も更新するのでよろしくお願いします!
「ちょ、ちょっと待ってくれ。少し話を整理させてくれよ。つまり、おれが大和田さんにスキルを移したってことだよな」
いや、わざとじゃないんだけど。
そんな言い訳じみたことは口に出すこともできず、おれはしゃべりながら自分の頭の中でも状況を整理していた。
正直意味がわからない。
【改弐】ってなんだよ。
いや、それより【サブミッション改】だって?
「えーと、つまり、おれが【サブミッション】のスキルを使ってこいつをのして、それを大和田さんに移しちまったって事か?」
「違います。【サブミッション】は私が持っていたスキルです。あなたが無理矢理奪っていったんです」
「えぇ…」
持ってたの、【サブミッション】。
てか、奪ったってなんだよ。
否定してほしくてルシエルを見たが、彼女は否定してくれなかった。どころか、それが正しいとでも言うように頷いたのだった。
「私だって初めてのことで驚いたわよ。いきなりスキルが生えたって思ったらそのままどっか行っちゃうんだもん。…ああ、ここらへんはあんたらに言ってもわかんないか。とにかく、どうやったかわからないけど、その人から奪ったって部分は本当よ。そのせいで【サブミッション】が【サブミッション改】になっちゃったの」
「それじゃ、マホちゃんが【超回復・改弐】なんてスキルになったのも」
「そうよ。そもそも、いくらなんでもこんなゴリラみたいな化け物と殴り合って無事にすむ訳ないじゃない。【超回復】のスキル…いや、【超回復・改】のスキルもあの時生えてたわ」
話を整理するとこうだ。
おれは戦闘時に仲間のスキルを一時的に奪うことができるらしい。
しかも、自分が他人に植え付けたスキルだけじゃない、他人が本来持っていたスキルすらも奪うことができる。
ただし、当然デメリットがある。
「それでここまでキャラが変わったのか…」
「なんですか。これが素ですよ」
どんよりとした雰囲気になんと言えばいいのかわからなくなる。
どう考えても別人である。
どこかミステリアスな雰囲気で時々お茶目な雰囲気だった大和田さんが完全な根暗少女になってしまっていた。
「とにかく、あなたはチーターです。まったく私が上に報告していたらどうなってたかわからないですよ」
「その、上ってのは何なんだよ」
「上は上です。お姉ちゃんとかお兄ちゃんとかお父さんとかお母さんとかおじいちゃんとかおばあちゃんとか」
全部身内じゃねえか。
神社関係者は血縁者がほとんどだってのは本当だったらしい。
私のおかげなんですからね、私の、となぜか大和田さんは得意げにしている。
その通りなのかもしれないが、何度も言われると腹が立ってくる。
「それじゃ、おれのことを知ってんのは大和田さんとあのクソガキだけなのか」
「不敬ー!」
ばしりと頭を叩かれた。
突然のことに反応できなかった。
なぜか得意げな笑みを浮かべる大和田さん。
なんだ、この女…っ!
なんなんだ、この酔っぱらいムーブ…! 突然の奇行に思わずブチ切れそうになったが、
「まぁまぁ、それくらいにしとけよ」
分厚い手が肩に乗せられた。
おれの怒りを感じ取ったのか、奴が窘めるように力を込める。
やべえ、やっぱこいつやべえ。
ルシエルを身につけていない状態では勝負にもならない。本能的にそれがわかった。
「なぁ、お嬢さん。話はよくわかんなかったんだが」
「つまりこいつがすげーってことだろ? それでいいんじゃねえの」
わかってるぅー♪
思わずそう言いそうになったが我慢する。
大和田さんはなぜこいつが話を締めるんだという怪訝そうな顔をして黙ってしまった。
うん、あれだ。
やっぱり友達っていいね。
読んでいただきありがとうございます!
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