とっかえひっかえ?と彼は思った('Д')
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「私は嘘が嫌いです。ですがある程度なら許すことも大事だと思っています。そう、寛容さも大事だと思うからです。だから、あなたがついた嘘もこれまで見逃してきました」
大和田さんはおれを正座させてそんなふうに滔々と語る。説教というには愚痴が過ぎるが言いたいことは単純だ。嘘はよくない。しかも、自分は監視官の役割を担っているのだからある程度は信頼してほしい。
馬鹿話を無理矢理中断されて始まった独白は詰まるところ、そんな主張でしかなかった。
「嘘って言われても。おれは別に嘘なんてついたつもりはありませんよ」
嘘である。
おれは彼女に対してスカーレットやルシエルを隠すなど細かな嘘をついてきた。まぁ、その嘘もほとんどはすぐにばれるか自分からばらしているので気にするほどのことでみないと思うが。
いや、気にしているからこうやって正座させられているのか。
「それも嘘ですね。ええ、わかりますよ。私は確かに部外者ですし、あなたとも信頼関係も結べていません。ですが、私と源さんの話聞いてましたよね? 私、貴方の味方としてここにいるんですよ? 少しは私のことを信用してくれてもいいんじゃないですか? ねえ?」
やばい。
もう道理とかそういうのも投げっぱなしでブチギレてる。会話になっているようで会話になっていないのだ。
正直ここまでブチギレしてる理由が見当もつかないのだが、なんだ、どの嘘が気に入らなかったのだろうか。
「なんですか、何で叱られてるのかわからないって顔をしていますね。そうでしょうね。ええ、わかってます私の怒りが理不尽なのは。でもですね、それだけ貴方が理不尽なんですよ、いえ、私たちを舐め腐ってるですよ」
あ、おれ叱られてたのか。
今更ながらそんなことを理解した。だから正座させられてたんだ。
「意味がわかんないんです」
「だから、ええ、私もどう言えばいいのかわからないんですよ。そもそもですね」
大和田さんは一度こめかみに手を当てて、目を閉じた。頭の中で言葉を整理しているのだろうか。苦悩に歪んだ顔が妙に新鮮だった。
なんつーか、逆に笑えるみたいな。
「貴方がスキルを神器から貸与できるという点からしておかしいんです」
「えっ、そこから?」
「そこからですよ! スキルとは魂の有り様を示す象徴であり、それまでの人生、資質、研鑽などの様々な要素が作用して発露します。それが他人同士で共有できるわけがない! ましてや神器が保有する強力なスキルをどうして人間が借り受けられますか!」
だんだんヒートアップしていく大和田さん。
それにどう対処しようかと考えたが、そもそも反論する意味がないと思い直す。
だって、
「いや、実際できてるし」
「だからおかしいんです! それだけじゃなく、まったくの他人にまで貸し与えることができるとか! 明らかにチートじゃないですか!」
大和田さんの言葉に思わずため息をはきそうになった。
そんな問答は随分前に終わっている。
確かに仲間を強くできるって点では有効かもしれない。だが、実際はそううまい話はないのだ。
「マホちゃんを見たじゃないですか。デメリットもあるし、おれ自身はスキルを身につけることができないんですよ」
「何言ってるんですか!」
「あなた、さっき私たちのスキルを奪っていったじゃないですか! とっかえひっかえでどんなスキルも身につけることができるとか、それがチートじゃなくてなんだって言うんですか!」
は?
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