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今度こそ決着と彼は思った('Д')

なんとか更新出来ました。

今日の夜も更新予定ですのでよろしくお願いします!

 冷静に考えればすぐにわかることだった。


 こいつは孤独だ。


 それは巣穴の連中が脇目もふらずに逃げ出した事実からもわかる。誰一人(この表現が正しいのかわからないが)としてこいつを助けに駆けつけようとしなかった。最初に銃を向けてきた兵隊みたいな連中ですら一目散に逃げていることも拍車を掛けている。


 それがいいことなのか悪いことなのかは関係ない。


 大事なのはこいつが孤独だったってことだ。さっきのテキストを信じるなら生まれながらにって点がなによりも大事だった。


 少なくとも、ほかの連中とこれだけ体格差があるってことと今までの戦い方を考えてみて。


 おれはその事実に賭けようと思ったのだ。


 ようは、こいつはこれまでまともに喧嘩をしたことがなかったってことだ。喧嘩慣れしていない。その点につけ込めば良かったんだ。


「ぐうっ…!」


 ぎちぎちと、ぎちぎちと。

 掴んだ腕と太股の間に挟み込んだ首が軋みを上げている。背骨を意識して全身を反らす。手応えは十分にあった。しっかりと首に掛かっているし、鎧を流体化してロックもかけた。

 さっきまでよくわからなかった顔色は真っ赤に染まり、口元からは泡が漏れ始めている。

 眼光だけはギラついているのに、抵抗らしい抵抗がまるでできていない。

 それだけで勝利を確信した。

「どうしたらいいかわかんねえんだろ? こういうのはじめてか? ん?」

 問いかけても奴は答えない。

 いや、答えられるわけがない。酸欠になった頭ではまともに思考できないだろうし、この体勢じゃろくにうごくこともできないだろう。

 それでも奴の腕の力は抜けないので、おれも全力で力を込めた。

 奴の目は未だに光を失っちゃいない。

 死にそうになりながらおれをしっかりと見つめていた。

「そういや、お前おれの仲間になりたいんだっけか? 馬鹿じゃねえのか? お前ゴブリンだろ。最後にタイマンとかマジでありえねえ」

 ぎちぎちと腕の力が増していく。

 渾身の力で締め上げてもまだ足りない。

 これは基礎性能の差だとかそんなもんじゃない。

 気持ちの差だ。

 こいつはおれなんかよりよっぽど根性がある。


「いいぜ、ダチになってやるよ。だから、この勝負はおれの勝ちだ」


 だからとっと寝ちまえ。

 最後の力を振り絞って締め上げる。それでようやくあいつは力を抜いた。

 

『ほんと、男って意味わかんない』

 

 あいつが気を失ったのを確かめ、大の字で寝ころんだ。久しぶりに聞こえたルシエルの声を無視し、おれは大きく息を吐いた。

 やっと終わった。



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