決着
ブックマークありがとうございます!
短めですが、夜に次話を投稿予定です。
はじめに思ったのは、ほかのゴブリンよりも遙かにでかいってことだった。
それでもおれと同じくらいしかないように見える。ただ横幅が違う。もちろん肥満のそれとはちがう。明らかに骨格ががっしりとしており、遠目でも筋肉の隆起が見てとれる。
ゴブリンと言うよりドワーフとかの筋肉達磨のようだった。
『ゴブリンキングね。あの巣、意外に規模が大きいのかも』
ルシエルが感心したように呟いた。
キング。
つまり、あれはあの巣のボスって事か。
「正気かよ。あいつ、王様のくせに先頭に立って戦ってたのか」
そいつはゆっくりとした歩調で近づいてきた。
…その動きがおかしいことに気づく。
徐々にその姿の全容が見えてきたが、思わず息を飲んだ。
全身が焼け焦げ、水膨れのようなものが全身の至る所にある。火傷だけでも十分重傷だが、右腕と左脚があり得ない方向に捻れている。
片目のまま、そいつはまっすぐおれを見つめていた。
「人の子よ、なぜ我らを狙う?」
繰り返される問い。
その声に震えも恐れも怒りも感じない。
だからこそ、全身に鳥肌が立った。
ここでの答えが勝敗に関わらず、自分自身の価値を決めるような気がしたのだ。
引けば男が下がるし、避ければこれからの自分自身を信じられなくなる。
だから、真っ向から答えた。
一度口にしたことを曲げないために。
「おれが喧嘩を売った。あんたが買った。それが理由だ」
「そうか。それが理由か」
ゴブリンキングはゆっくりと拳を上げた。
なんの構えかわからない。
けれど、それが意味することだけはわかった。
おれも真正面から相対する。
「ならば、是非もなし」
口火を切ったのはゴブリンキング。
決着を付けるため、おれは全力で飛び込んだ。
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