神託ってなんだと彼は思った('Д')
おはようございます!
今日の夜も更新予定ですのでよろしくお願いします!
「それで、帰ってきたんですか? え、なにそれ怖い」
自宅に戻ると何故かのんきにお茶を飲んでいた大和田さんからそんなことを言われた。茶菓子も妹が隠していた高いとこの羊羹を見つけだして来て、ほぼ八割方を食い尽くしている。
そこに突っ込もうかと思ったが、そんな気分でもないのでそのまま居間のソファに身を預けた。
マホちゃんはおれの後をついてきて、大和田さんと茶菓子を摘んでいる。
「いきがりたい年頃だからな。あのやりとりは意味不明だったがあっちもさわやかな表情をしていたよ。…最近は暗い顔をしていたからな。担任としては不安だったんだ」
「教師の自覚はあるんですね」
「当たり前だ。一度でも担任となったからにはあいつらを導くのが私の仕事。ハチと連れ添うのは運命だ」
「教師としてありえない台詞だと思いますが」
「それはそれだ」
二人はおれにお構いなしに会話を続けていく。
出かける前は険悪だったくせしやがって、なんであんなに仲良くなってんだ。
一人手持ちぶさたになってテレビをつける。
画面には見慣れた建築物が映った。
小白川ダンジョン。
「速報です。一昨日未明、小白川ダンジョン内フードコートにてガス爆発が発生し、多数の死者が出た模様です。密閉空間での長期火災のため先ほどまで消防隊員も踏み込むことが出来ず、先ほど消火活動が」
全国区のニュース番組で女性のアナウンサーが必死に原稿を読み上げている。
ぞくりと背筋に寒気が走った。
思い出すのはオークに蹂躙された人々の死体。
けれど報道された内容はおれが知るそれとはまったく違う内容だった。
「報道管制ってやつです。ハチ君の年代なら好きじゃないですか、こういうの」
「な…っ!」
からかうような声音に一瞬怒鳴り返そうかと思った。
が、言葉がでない。
まったく笑っていない表情で大和田さんはおれを見ていたからだ。
「そうです、その反応です。あなたが関わっているのはそういうレベルの出来事だと思っていてください。でなければ、この先痛い目に遭いますよ?」
「おい、ハチを脅すな」
「あら、すいません。どうにも子供みたいなやりとりで満足しているようでしたので。あなたは、もう、そんな安寧としたところでゆっくりしている暇はないのですから」
「神託が下りました。坂本八郎、貴方には中層にてあるモンスターを討伐していただきます」




