大人っておそろしいと彼は思った('Д')
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「いやいやちょっと待て。なに、なんでそんな噂が流れてんだよっ?」
思わずミキの肩を掴んでいた。
意外に小さな肩におれの方が驚いたが、ミキの方はもっと驚いた表情をしていた。
「ちょ、ちょっと! いきなり何すんの!」
「だから、なんでそんな噂が流れてんだよ! ありえねえだろ!」
おれの言葉を受けて、ミキは何故か敵意に満ちた表情を浮かべた。親の仇みたいな目だった。
「よく言うわね、あんな…あんなのを送りつけた癖して」
「あんなのって何だよ?」
「とぼけてんの?」
ミキはスマホを取り出して操作したかと思うと画面を押しつけてきた。その素早さに一瞬戸惑ったが、画面に映ったそれを見て、叫んだ。
「これ、マホちゃんかよ…っ!」
目を手の甲で隠したポーズ。風俗のHPで見た(興味本位で)それと酷似それは実際におれがみたそれよりも卑猥な画像だった。全裸である。みずみずしい素肌と赤い唇。抜群のスタイルと長い手足が写っている。
けど、マホちゃんは義手義足だった。
これは紛れもなく普通の手足に見える。ってことは最近撮られたそれだってことで、
「あんたが送ってきたんじゃない」
そんなありえないことを言われた。
「はぁっ?」
「ほら、これ」
アプリを起動して画面を見せつけてきた。
…確かにおれから送られたものだった。相手の表示に映ったアイコンもなにもかもが見覚えのあるもの。ただ気になるのは送った時刻だ。
一昨日の夜。
おれはスマホをいじった記憶はないし、というか夢の中で尋問を受けていたときのことだ。
だから、おれが送ったのはありえない。
「マジかよ、なんで」
居間に置かれたスマホ。
普段は部屋に置かれたそれがあそこにあった理由が一瞬で理解できた。
と、同時にマホちゃんのおかしい行動の意味も理解できた。
そうか、冒険者ってのはそこまでやるのか。
おれにとっては価値のないスキル。
けれど大和田さんの反応やマホちゃんの対応を見て、ようやくわかった。
どうやらなりふりかまわずにいられない程度の価値はあるらしい。
その事実がなによりもおぞましい物に思えた。




