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デバフってなに? と彼は思った('Д')

ブックマークありがとうございます!

プライベートで色々あって四日ぶりの投稿になります。

今日からまた定期的に投稿していくので何卒よろしくお願いします!

「これを」


 胸元から飛び出したのは折り畳まれた紙。 


 いくらなんでも狙いすぎじゃねーか。そう思いながらも若干暖かいそれに鼓動が早くなる。


 って、なに受け取ってんだおれは。


 マホちゃんの視線が未だにギラついている。けど、なんだろう。今すぐ殺されそうな気分になる殺気は感じない。むしろもっと恐ろしい何かが渦巻いているような気がして、


「中を見てください」


 そう催促された。


 見てくださいと笑みを向けられても微妙な気分になる。やっぱり痴女なのか。話が進まなそうなので紙を開く。


 中には、なんだこりゃ?


 ミミズをのたくったような文字が書かれていた。


「えい」


 ぼん、と冗談みたいに煙が出た。無味無臭の白煙。思いっきり吸ったが痛みもなく、目が涙ぐむこともなかった。


 煙がはれると両手にそれぞれ何かを持っていた。


「お返しします。紛れもない神器。どこで手に入れたのか気になるところですが詮索はしませんので」


 朱色の槍と透明な硝子玉。


 それがなんなのか一瞬わからなかったが、すぐに理解した。スカーレットとルシエルに間違いない。朱色の槍はそれこそスカーレット自身が使っていた。


「それで、八郎様のスキルのことなのですが」


「だから、愛だ」


「それはもういいです」


 マホちゃんの言葉を遮って大和田さんはおれを見つめてきた。


 どう答えるべきか。


 実際わけがわかってないんだから正直に答えるしかないんだが、それで彼女が引き下がるとは思えない。


なによりおれ自身が知っておかなきゃいけないことなので、


「だそうだ。ルシエル、スカーレット。詳しい事情を教えてくれ」


 関係者に姿を見せてもらうことにした。


「あ、馬鹿」


 マホちゃんが呆れたように手で顔を覆う。


 ああ、やっぱり黙ってたのか。けれど、そんな小細工する方が無駄だと思う。


 なにせ、夢の中にまで押し入ってくる女だ。


 自分の目的のために手段を選ばない以上、どうせ、そのうちばれちまう。


 怪訝そうに大和田さんが眉根を寄せている。


 若干の間があったが、おれの呼びかけに答えるように、


「ま、いいけど。あんまり面白くない話になるわよ?」

 

 そんな言葉とともにルシエルは硝子玉から姿を変えた。もちろん、スカーレットも。


 煙がでるとか光るとかの小細工はない。


 瞬きの間に突然現れたようにしか見えなかった。


 それは大和田さんも同じ様で、


「誰っ?」


 はじめて警戒するような姿勢を見せた。


 彼女は腰を浮かせると同時、懐に手を忍ばせる。


 その動作の合間に、


「心配するな。お前の知りたかったことを教えてやる」


 マホちゃんは大和田さんを拘束した。


 テーブルを挟んで対面に座っていたはずなのにテーブルの縁を滑るように移動して距離を詰めたのだ。


 その動きが自然と目に焼き付いている。


 ルシエルはそんな一連の騒ぎに一瞬だけ視線を向けてから、言った。


「結論から言うと、スキルの譲渡じゃなくてばら蒔きよ。しかも受け取った相手には永続デバフのおまけ付きでね」 



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