そこまで驚かなくていいんじゃないと彼は思った('Д')
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夜も投下するので是非読んでいただけたらと思います!
確かにそうだ。
どう考えてもまずその点に疑問が浮かぶ。中層モンスターに通用する武器なんて、それこそ冒険者か軍隊ぐらいしか持っていないのだから。
少なくとも学生が手に入れられる品物じゃない。
「答えられませんか?」
「いや、そんなことは」
ないです、と言うことができなかった。
質問の意図がわからなかったのだ。
おれはマホちゃんにルシエルとスカーレットを手に入れた経緯ついても話した。
なのに、今の言い方だとその部分については知らないと言っているような気がしたからだ。
今までの質問を思い返す。
間違いない、彼女はこれまで事実の確認をするように話をしていた。だから細部まで突っ込まれたし、質問も確認するような口調だった。
でも、これは違う。
どう考えても、明らかにわからない部分を補完するための質問だ。
なら、おれ答えるべきなのは。
「どうやってって。それは」
「源先生からの聞き取り記録によればあなたは偶然その武器を手に入れたとあります。それはおかしいですよね。いくらなんでも道ばたに落ちいていたなんてことがあるはずもない。誰かから譲り受けたんですか」
「いや、違います。本当に、その、偶然手に入れたんです」
「偶然ですか」
「はい」
絶対に納得していない。
目がそういっている。
赤い瞳の重圧に負けそうになるが、だからこそ意地を張るべきだと思った。
いや、実際ばれたらやばい。
無断で未登録のダンジョンに潜ったなんて、下手すりゃ即実刑である。
「本当に偶然ですし、あの化け物にも通用した訳じゃないです。逃げ回るのに便利だっただけで、実際にやったのはマホちゃんの武器ですよ」
「それについては既に裏もとれています。彼女の武器は過去のダンジョン攻略で手に入れた神器。中層のモンスターであれば問題なく討伐できる代物です。ただ、その武器を使いこなすことが出来ればですが」
視線が一際強くなった気がした。
そこについてもどう話せばいいのか。
当然のことながら、マホちゃんの四肢が治っていることを知っているはずだ。それについても疑問に思うのも当然のこと。
その部分について知らぬ存ぜぬを通せばいいのか、それともマホちゃんが既に話しているのか。
ああ、面倒くせえ。
無駄なことに頭を働かせすぎだ。自分のしたことについてはわかっている。でも、正直に言っていいのかがわからない。
おれが黙っていると、
「源先生の四肢が治っていました。貴方がやったんですね?」
核心をついてきた。
こうなると少し気が楽になった。
隠すほどのことでもないし、隠しても意味がない。
無駄に考えていた頭の中を空っぽにして質問に誠実に答えることにした。
「ああ、そうです」
「……っ! そう、ですか」
初めて彼女の瞳が揺れた。
少なからず動揺しているようだった。彼女は素早く手を動かし、傍らに置いてあった書類を手に取った。
その動きに若干面食らった。
「けれど、あなたはスキルを発現していません。回復系のスキルは希少な上、他者へ影響を与えるスキルは現在まで一例しか確認されていない。この状況をどう思いますか」
「どうって言われても」
「方法は? どうやったんですか?」
気のせいじゃない。
彼女は随分と食いついてきている。むしろ必死すぎておれの方がビビる。
だから、もったいぶらずに言った。
「武器のスキルを源先生に上げたんです。おれ、スキルを他の人に渡すことが出来るので」
時が止まった。
そうとしか表現のしようがないほど、目の前の彼女は固まってしまった。両目大きく開き、信じられないものを見る目でおれを見ていた。
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