「お腹が空きました(*^_^*)」 彼女はそう言った。
明日も投稿したいと思います。
「人間、だよな? なんだってこんなとこに」
年の頃は十七、八くらいか。たぶん年上。顔立ちはなんか白人っぽい。えらい美人。なんか布みたいなのを体に巻き付けてる。
第一印象はそれだけだったが、だんだんおかしいことに気づいた。いや、こんなとこに人間が置いてある時点でいろいろおかしいんだが。
「氷じゃないな。ガラスっつーかなんつーか。…なんだこりゃ」
こんこん、と指先でつついてみる。
硬い感触はするが、氷の冷たさがない。
ひんやりとした空気はこれが原因かと思ったがそうでもなかったらしい。
「他にはなんにもなしか」
ざっと見回してもめぼしい物は何もない。
壁に隠し扉の類があるかと適当に触ってみたが何もなかった。まぁ、あったとしてもおれには【盗賊】のスキルも【探索】のスキルもないので見つけられるはずもない。
しばらく室内を見回して、結局彼女に意識を向ける。
当然というか何というか、モンスターの気配もない。
「ここ、ほんとにダンジョンかよ」
思わず呟いた。
ま、正直わかってはいたんだ。
世の中、そこまで都合がいいわけがない。気張って挑んで空振りなんてのは、それこそいつものことだ。
収穫は何もなし。
スキルの取得は夢のまた夢。
まぁ、ダンジョンに入ることは出来たんだ。少しは前進したと思っておけばいいか。
結局、だめだったけど。
「…くっだらね。あー、やべ。完全にやる気なくしたわ」
スマホを取り出す。
案の定というか、当然というか圏外の表示。やはりここは未登録のダンジョンだったようだ。
通報するには一度外にでるしかない。
テンションが下がりきった現在、階段を上るのも億劫だった。
液晶をしばらく睨んでも圏外の表示は変わらない。
諦めて室内を出ようとして、急に触れてもいないアプリが起動した。
「は?」
起動したのはメッセージやスタンプをやりとりする大手アプリ。触れてもいないそれが起動したことに怪訝に思った直後、おれは自分の目を疑った。
『はじめまして。……おなかが空きました(*^_^*)』
そう、アプリにはメッセージが入っていたのだ。