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この状況でファーストキスとかありえないと彼女は思った(;´∀`)

PV700を突破しました!

拙作をご覧になって頂き、本当にありがとうございます!

まだまだスローペースですが、もっとペースを上げていきますので、何卒宜しくお願いします!

また、感想やブックマークなども是非よろしくお願いします!

「スカーレットッ!」


 おれの呼びかけに応え、スカーレットはその身体を変質させた。


 全身に感じる脈動は熱く、力強い。


 それがスカーレットが本来持つ気質なのだと気付くと同時に、力がわき上がってくるのを感じた。


 ルシエルが質実剛健とすれば、スカーレットは絢爛豪華と言って良い。


 黒い装甲の上に乗った赤い装甲は形状すらも流麗で美しかった。


『ちょっと、ハチ? あんたなにしてんのよ?』


 おれの突然の行動にルシエルは戸惑いを露わにしている。


 正直なにを戸惑う必要があるのかわからなかったが、ルシエルは説明しろっと訴えてきた。


「おれの【飛燕脚】がマホちゃんに移ったんだろ? なら、【超回復】だって移せるはずだ」


『いや、だからちょっと待ちなさいって。いや、確かにその女にはあり得ないスキルだけど。でも、厳密にはあんたからスキルが移ったといえないっていうか』


「だったら【超回復】も移せる筈だ」


『だから話を聞けっての!』


 怒鳴られた。


 さすがに一瞬思考が停止する。頭の中に直接電極でもぶっさされたみたいな衝撃に目の前がちかちかしている。


「…わかった、わかったから話を聞くから」


『いい? 確かにこの女にはありえないスキルが発現してる。しかもあんたの【飛燕脚】のスキルも消えてた。それは事実』


「だったら」


『けど、その女が今持ってるのは厳密には飛燕脚じゃないの』


「…どういう意味だ?」


『【飛燕脚・改】。つまり、あんたのスキルの上位互換なの』


 ……意味が分からない。


 改? 上位互換?


 ってことは、


「元から持ってたってことか?」


『…それもありえないのよ』


 苦虫を噛み潰したような苦渋の声。感情までダイレクトに伝わるせいで、おれまで不快感を覚えてしまう。


『スキルに改なんてついたのは初めてみたわ。まだ詳しくわかんないけど、どうもデメリットみたいなものがあるみたい』


 なんだそりゃ。


 さすがにそんな面倒な展開をされても困る。何より、


「ごほっ…」


 腕の中の先輩が籠もった咳をした。


 それがあまりにも弱々しくて、しかも徐々に体温まで下がっているのがわかって。


 おれは自分がすべきことを決めた。


「【超回復】をマホちゃんに移す。なんでもいいから手助けしてくれ」


『いや、だからできないって』


「やるんだよ。じゃなきゃ、マホちゃんは死ぬんだ」


 飛燕脚が移ったと仮定して考える。


 改になった理由は無視。たぶんおれから経由したことでなにかしら不具合があったとかだろう。


 スキルが移った理由として考えられるのはおれと長い時間接していたからだ。長い時間といってもおよそ半日。もちろん今のマホちゃんにそんな時間はない。


 だから、その時間を縮める必要がある。


 そのためには、


『ちょっと、だから。あんたどうしてそう斜め上のことを考え』


 接触の濃度を濃くすればいい。


 抱きしめている現状から更に進めるために。


 おれはマホちゃんにキスをした。


 

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