『なんじゃあれ、なんじゃあれ、なんじゃあれぇ』と幼女は半泣きなった(*^-^*)
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なんとか連日更新出来ました!
今後も精進しますので何卒宜しくお願いします!
『ちょっと、ハチッ? しっかりしなさい!』
「ひゃいっ?」
脳味噌の中に直接声が響いた。
そうとしか言いようがない。
停止していた思考を無理矢理再起動させたそれがルシエルの声だと気付くのに数秒掛かった。直後、全身に響く振動と爆音にまた意識を持って行かれそうになったが気合いで踏みとどまる。
耳元を押さえ、下腹に力を込めた。
「ル…シエ…ル、どん…く…らい、気を」
『一分は寝てたわよ。無理にしゃべらなくていいから。言わなくてもわかるか』
ルシエルの言葉が聞き終わる前に両耳を何かが覆った。硬い。さすがに見ることは出来なかったが、ルシエルが何かをしたことだけはわかった。
いくらかマシになったが、全身に響く振動がなくなることはなかった。
『文句言うんじゃないわよ。これでも随分マシになったでしょ?』
実際その通りだった。
頭のごちゃごちゃがなくなり、ようやく周囲の光景が目に入ってくる。
愕然とした。
この状況下であっても、周囲の人間は平然と談笑していたのだ。この轟音と振動の中でも、まるでさっきと変わらない様子で。
どうなってるんだ、一体。
『さっき言ってたじゃない。結界よ。あんたのお姉ちゃんも張ってたけど、それよりもずっと強いやつ』
いや、結界とか当たり前のことみたいに言われても。
そこで躓いているおれをルシエルは華麗に無視した。
『とにかく、あのおチビをなんとかしなくちゃヤバいわよ? 具体的に言うとだんじょう史上最大の虐殺が起きちゃう』
具体的すぎる。
実際この異常な状況を見れば否定することもできない。不意打ちというか、こんな何がなんだかわからないままに襲われたら冒険者だろうがなんだろうが問答無用で殺されるに決まってる。
おれはあのクソガキを探そうと視線を走らせ、
『あ、気絶してる』
泡を吹いたまま仰向けでぶっ倒れた幼女を見つけた。
どうやらマホちゃんの銃撃にビビったらしい。
その姿があまりに間抜けすぎて、おれは思わず膝をついた。
※
『なんじゃあれ、なんじゃあれ、なんなんじゃあれぇっ!』
幼女は半泣きでおれにすがりついてきた。
耳元にはルシエルの耳当てがついている。おれ以外にも装着できるらしい。音がなくなってようやくマシになったのか意識を取り戻したクソガキはその流れで半泣きになったのだった。
頭の中にガンガンと泣き声が響く。
どうやらこのクソガキもルシエルと同じことが出来るらしかった。
「う…る…せえ…ッ!」
『はいはい。まともにしゃべれないんだから黙ってなさい。ここはあたしに任せて。…で、聞こえてるわね?』
ルシエルの声に幼女がはじめて反応した。
鼻水汚ねえ。
『う、ひぐ。なんなんじゃ、あれぇ…!』
『はいはい、泣かない泣かない。人間を舐めすぎなのよ、あんた。…スカーレット』
『はい』
あ、忘れてた。
いつの間にか現れたスカーレットは幼女を優しく抱きしめた。びーびー喚いていた幼女が徐々に泣き止んでいく。…これが母性か。
『ほら、とっとあれ元に戻しなさい。結界も消せば、あのお姉ちゃんもおっかないことしないから、ね?』
ルシエルの諭すような声。
おっかないことってのはあれか。あの銃撃か。
おっかないで済むことじゃないし、今更元に戻したところであれよりもおっかないことが待ってる気がしたが黙っておく。
スカーレットもルシエルの言葉に頷くように優しくクソガキの頭をなでている。
が、
『それは、無理じゃ。こうなったらワシには止められないんじゃ…』
そんなことを宣いやがった。
『これは、もともと決まっていたことじゃ。ワシはあくまで起動させたにすぎん』




