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いざダンジョンへⅣ

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 見てくれは人間とそう変わらない。


 なのに人形だとわかったのはかたかたと鳴る歯車の音はもちろんのこと、その所作が明らかにおかしかったからだ。


 顔にも継ぎ接ぎがあり、髪質すらも艶やか過ぎて違和感だらけ。


 そのくせ目だけは違った。


 まっすぐとこちらを見つめる視線は強烈で、内に宿った何かが彼女の存在をはっきりしたなにかにしているように感じた。


「…マホちゃん、これって」


「これじゃない。巫女ちゃんだ」


 巫女ちゃんて。


 ふざけてるのかと思って、マホちゃんを見たが至って真面目な表情をしている。


「そう驚くな。巫女ちゃんは秘密になっているがここではさほど珍しいものじゃない」


「秘密って、なんでそんなこと」


「大人には秘密を守る義務があるんだよ」


 いまいち納得いかない答えだったが、実際におれは知らなかった。


 ネットでは冒険者ギルドの外観の写真は載っていても、内部の構造や写真は一枚もなかったことを思い出す。


「じゃあ、その、しゃべっちゃいけないってことか」


「ああ、罰が当たるぞ」


 にやりとマホちゃんは笑う。


 からかわれたと思ったが目の前の人形の雰囲気のせいで冗談と思えなかった。


 いや、人形じゃなく巫女ちゃんか。


「よろしいですか?」


 ぽつり、と巫女ちゃんは呟いた。


 小さい声なのにはっきりと聞き取れる声質。言葉の意図を一瞬考えたが、どうやらおれたちのやりとりを待っていてくれたらしいことに気付いた。


「あ、えっと、すいません」


「いえいえ、お気になさらずに」


 丁寧に返される。


 ここまで意志疎通ができるとは思わなかった。内心の驚きを悟られないように曖昧な笑みを作ることにした。


「それでは、貴方様の試練をお伝えします」


 巫女ちゃんはそう言って、祈るように手を合わせた。瞼を閉じ、頭を垂れる。裾から見えた手が間接部分に球体の付いた人形のそれで、やっぱり彼女は人形なんだと思った。


 同じ姿勢のまま数秒が経過した。


 急な突風が吹いたり、雨が突然打ち付けたり、雷が落ちるなんてことは当然なく。


 どころか何かが起きているような雰囲気がまるでない。


 そういうものかと思っていたが、時間が経過するに連れてマホちゃんも異変に気付いたようだった。

 いや、異変がないこと気付いたってことなのだろうか。


「マホちゃん?」


「おかしいな。いつもはこんなに時間が掛かる筈はないんだが」


 マホちゃん首を傾げている。


 それでもなお動かない巫女ちゃん。


 まさか壊れたかと思い、彼女に触れようとして。


「ワシ自ら授けてやろう」


 そんな声が降ってきた。




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