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貴方は無能です(*^-^*)と彼女は内心で吐露した。

ブックマークありがとうございます!

昨日の更新できなかったので、夜に更新したいと思います!

何卒よろしくお願いします!

 名付けも終わり、いよいよ本題に入ることになった。


 だが、なぜかルシエルは呆れたように半眼のジト目を向けてくるだけでなにも話さない。


 微妙に重たい沈黙が室内を覆っている。


「どうしたんですか? 早くはじめてください」


「…いや、まぁ、いいけどね」


 スカーレットの言葉にルシエルは渋々といった調子で居住まいを正した。が、心底軽蔑しているという感じの鋭い眼光をおれに向けてきた。


 理由はわかっている。


 スカーレットにされるがままになっているからだ。スカーレットはおれに抱きついたまま離れない。


 だが、おれにだって言い分はあるのだ。


 右腕の二の腕。


 そこに押しつけられた二つの柔らかい感触。


 こんなことされて無理無理引き離す男がいるだろうか、いや、いない。


 …ぶっちゃけ距離が近すぎて、どう対処していいのかわからなかった。


「それで、具体的にどうすればいいんですか? 正直スキルと言われても私にはよくわからないんですが」


 スカーレットは手を挙げて言った。


 そう、そうやって動かれるとマジで困るのだ。柔らかい感触に深くめり込んでめちゃくちゃ気持ちよくてこのままでいたいような。


「わからなくて当然ね。スキルってのはあることに意味があるんじゃなくて、スキルと同じことが出来るから持っているって状態が正しいの。もちろん、スキルを持っていない人と持っている人じゃ同じことが出来ても完成度が違ってくる。ましてスキルレベルが上がれば上がるほどその差は明確に出てくるわけ」


 あるから出来る、ではなく出来るからある。


 その違いはめちゃくちゃ大きい。


 スキルレベルなんて言葉は初めて聞いたが、結局のところそれが高い次元でやれるかやれないか。どんなことだってプロとアマチュアとでは同じことをやってもレベルが変わる。


 言われてみれば当たり前のこと。


 だからこそ、


「ま、それを無視するのが私ってわけ♪」


 ルシエルの異常さが際立つのだ。


 昨晩のことを思い出す。


 おれには確かにスキルの適正がまるでなかった。それは学校の検査でも証明されてたし、ルシエルからも宣告された。


 ここまでなにもできない人間はみたことがないと。


 けれど、彼女は心底苦労しながらもおれに可能性を見出した。


 観察眼。


 付け焼き刃のそれがおれをダンジョンへと導いてくれた。


「…のはずだったんだけれど」


 そこで、ルシエルはおれを見た。


 軽蔑の視線じゃない。スカーレットは相変わらずおれにひっついて胸元を押しつけてくるが、どうやらそれが理由ではないらしい。


 ルシエルはおれをじいっと見つめながら、


「駄目ね。ハチ、あんたのスキルもう使えないわ。というか、消えてなくなっちゃったみたい」


 そんな意味がわからないことを言った。

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