『下準備(*^-^*)』と彼女は思った。
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スキルの覚醒と合成。
それだけ聞けばなんでもありにしか思えないが、実際にはそんな上手い話はありえない。
ルシエルが持つスキルはあくまで個人の資質や素養、能力が前提となって覚醒する。合成にしてもあくまでスキルの覚醒によって得たスキルを特定の方向性に統一するだけとのことだった。
…正直、こんな説明をされても漠然としすぎていて、具体的によくわからない。かろうじてわかるのはおれがあのスキルに目覚めたのは彼女の手助けのおかげだったということだけだ。
「ま、正直あんたのスキルはそんなに珍しいもんじゃないわね。誰でもその気になれば身につけることが出来る。私の能力がなくてもね」
「なんか含みがある言い方だな」
「あんたに才能がないってことよ。欠片もね」
「ばっさりすぎだろ!」
実際、おれ自身に才能がないのは本当らしい。
彼女がおれの素質やら資質やらを鑑定した時に、最初に言い放った言葉は。
『信じられません、こんな…なにもできない人間がいるなんて』
今思い出しても死にたくなる。どうやら、ルシエルにとってもキャラが崩壊するレベルで衝撃的だったらしい。
そんなおれでも誰もが取得するスキルについては辛うじて適正があった。
それが観察眼である。
…それすらも、彼女の言葉では常人の数倍の労力が掛かったとのことだったが。
「とにかく、あんたには他のスキルも取得してもらうわ。昨日も言ったけど、私のを貸して上げても良いけど、ランクが違いすぎて貸した瞬間に破裂するから無理。だから」
「私のスキルをハチに上げればいいんですね!」
なぜか元気いっぱいに主張する少女。
そうそう、さっきのしおらしい感じはこいつに合わない。無邪気におれを殺しにきたあの馬鹿っぽさがこいつの売りなのだ。
…正直、なんでこんなにノリ気なのかよくわかんねーが。
「でも、さっきの話だとおれがスキルをもらっても爆発四散するんじゃないのか?」
「誰もそこまで言ってないわよ。…まぁ、相性の問題っていうか、純粋なスキルの強度の差ね」
「強度ってなんだよ」
「言葉にするのは難しいけど…とにかく、ほら、そう、身の丈に合うって言葉があるじゃない?」
「なるほど! 私のスキルはハチでも耐えられるほどクソ雑魚ナメクジなんですね!」
「そう、それ!」
「それ! じゃねーよ」
お前、おれたちを完全に馬鹿にしてんじゃねーか。
朗らかに笑う少女にも一睨み。馬鹿にされて笑っていいのは相手がどうしようもない屑の時だけだ。
「とにかく、この娘のスキルをあんたに共有してもらう。そのために」
「ハチ、あんたがこの娘の名前を決めなさい」




