時差ボケ
乗り換えのバスが来たら、この停留所でそのバスに乗るべきか?
それとも、このまま、今のバスで終点までそのまま行くべきか?
時間調整のために止まっている、この短い空白がもう決断を迫っている。
・・・けれど、決められない。
それなら、次の停留所までこのまま流して、そこで決めてもいいのでは?
おそらく、手慣れた職人なら、その発酵の作用を待つだろう。
不安は、期待を影に従え、
光の弱さに乗じて、いっそ影に溶けて希望を生もうとする。
メルカリで、ユーズドな、けれど、それなりに使える良い布地のように、
安くで手にはいる運命の乗り換え券は、見つかるだろうか?
出品は、いわば歴史の再生であり、落札は地球への慰謝である。
本能と本懐は、そのせめぎ合いのなかで、ひそかに沈殿する。