かの半神殿を解説します!
はじめまして。半神殿を解説するという大変名誉な役を仰せつかりました、何仙姑と申します。今は、碧霞元君の元で女仙しております。
なぜ、いかにも中国神に関わり深そうな私が解説を行っているのかと問われれば、かの半神殿は元々れっきとした中国神の一柱であるからです。半神殿のお名前を聞けば、なんとなく中国神っぽいなと思われるかもしれませんが、いかんせん、お名前の発表は上司から止められておりますので控えさせていただきます。
半神殿は、ご自身のことを話したがりません。この物語が終わるまで絶対に正体をあやふやのままにするでしょう。なので、上からの指示で私がこうして解説しに参ったわけですが、正直どこから解説したら良いやら、考えあぐねております。
さて、先程からずっと半神殿と呼んでいるわけですけれど、正確には、かのお方は半神・半神獣なのだそうです。かつて、神と神獣との間に生まれ落ちたのが、半神殿の前身、半神殿が"初代"と呼ぶ存在で、その魂の半分を持って生まれたのが、今代の半神殿、魂の力をコントロールすることで半神殿は半神・半神獸の力を行使するのだそうです。誓約により、地上ではその力は行使できないそうですが。あっ、ちなみに神獣の種族は麒麟だそうです。
初代がいて今代がいるということは、もちろん歴代もいらっしゃいます。半神殿には、代替わりがあるのです。今代は、10代目と伺ってます。
さらに言えば、並行世界に座す中国神の全員が代替わり有りで職務を遂行されていらっしゃいます。
こほんっ。中国神の代替わりの解説は話が長かなるので端折ります。
半神殿の能力は、ほとんど麒麟の能力に依存すると言われています。
・曰く、百獣を従える
・曰く、殺生を嫌うが、身の危険を回避するためなら、己の神通力で以って、妖魔すら屈伏させ、従える
よって、半神としての能力は大したことはなく、捨て置いても構わないが、半神獸としての力がとても強くて捨て置けば、後々、火種になる可能性がある。と危険視された時期が長かったのだそうです。
初代が神籍に入った経緯として、監視の意味合いが強かったことは私たちの間では公然の秘密です。
さて、人に擬態して生活する今代の半神殿、長いので今代とお呼びしましょう。実は、監視がゆるゆるな状態です。なぜなら、魂の半分を引き離して、完全な半神状態、さらにその力も完全に封じ込めたからです。
今代は、天帝以下、中国神の座す、玉華に参内する気も力を行使する気も全くないそうです。本人曰く、人として死にたいと天帝に直談判したそう。
それにしても、今代の周りにいる巫女と呼ばれる人たち、どう見ても半仙な気がいたします。えぇ、私と同じ匂いプンプンします。どういうことなのか、私にも分かりませんが、監視と関係があるような、ないような…。いずれにせよ、今代の周りはおかしな人ばかりだとお見受けします。
半神殿…今代の解説がだいたい終わりましたので私はこれで失礼されていただきます。補足情報があれば、またいずれ、上からの指示で説明する機会もあるでしょう。
それでは皆様、ご機嫌よう。