表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第一次異世界大戦 裏話〜かの半神は暗躍す〜  作者: 一青アリア
その神、動く準備をする
6/31

地球人召喚系拉致事件の被害報告に見せかけた半神の現実逃避2

とある巫女の場合1

1.魔王討伐を依頼される

2.魔王城に転移(自力)

3.サクッと魔王殺害

4.お城に帰還&国王脅迫

5.神殿で神を脅迫

6.帰還


「ツッコミどころ満載なんだが、できなくはないなぁ。一族(ウチ)の巫女なら、座標さえ分かれば転移可能だし、破魔の力を出力最大で放てば魔王も殺せる…のか?あれ?魔王に会ったことないから分からんなぁ。次行こう。次!」

ミヅキはブツブツ言いながら資料を読み進める。


とある巫女の場合2

1.周囲に結界を張り巡らせ、異世界人に触れられないようにする

2.同郷人がいないか確認(索敵最大)

3.同郷人を回収、魂も同様

4.神具発動

5.帰還


「確か、この巫女が召喚の妨害やら、被害者の救出始めたんだっけ?先代の半神が斃れてから、私が神籍に入る前まで神具の所有権が巫女たちに移っていたから、できたんだな。死神の素質ある巫女なんて本来いないはずなんだが、色々規格外だったんだなぁ。

…後は似たり寄ったりだな。異世界の神を脅すとか、一族(ウチ)の巫女たちマジで怖いもの知らず。んで、帰りたかった理由が運命の人が地球(こっち)にいるからとかホントかわいいよなぁ。まぁ、一族(ウチ)の氏神さんは、縁結びの神だから、運命の人が地球(こっち)にいるのは当たり前か。…例外もいるみたいだだけどね。」

とくつくつ笑いながら、読み進めるミヅキだった。




被害報告書の終盤は、被害者を生きて回収できなかった場合の対応について記述されている。現実逃避し終えてそれを無表情で読むと


「資料作成の前に見たメモ書きにやたら呪詛の文字が出てくると思ったら、そういうことか。無念の死を遂げた日本人の魂の怨嗟の声を糧にして呪詛をばら撒いたのな。自らの命を糧に呪詛をばら撒かよりずっと燃費が良いし、強い。さすがだね。抗議は異世界の神に直接するとして報復措置はもうこれでいいんじゃないか?こっちも下手に血を流すこともないし、まぁ、異世界(あっち)の人間が下手打てば、世界が滅びる可能性が無きにしろあらず?実際問題、すでに滅びた世界もあるようだし、報復にふさわしい気がする。」

とミヅキはいい笑顔で宣った。


かくして、やることがほぼほぼ決まったので今度は公的機関に対する根回しを進めることになった。まぁ、その前にやることが一つだけ


「報告書は、オブラートに書き直し!このまま読まれたら、今度こそ土地神がキレるぞ!」


その数日後、まず国際神霊連盟本部に報告書原本の写しが、さらに数日後、日本各地に点在する神社に座す、神々の元にオブラートに書き直された報告書が提出された。そこには、ミヅキたちの今後の活動方針も添えられていた。

それにより、多くの神々が納得の姿勢を見せたのだった。


第一次異世界大戦の足音は遠すぎて今は誰の耳には届かない。ある年の夏の出来事だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ