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そのきっかけな土地神は早々に後悔しながら、奮闘する

「ねぇ、君らんとこの氏子は元気かい?」


なんで、あんなこと言ってしまったのか?

僕はそのことを早々に後悔し始めている。


僕の名前は若瑞輝彦尊わかみつてるひこのみことという。しがない地方の土地神である。最初は、事件の進展に歓喜したのだ。これで僕の氏子たちを救えると。けど、こんなの聞いてない!責任者は?あっ、高天原か!


現在地は、国際神霊連盟本部。人間の言うところの国際連合の神バージョンの本部だ。

こんなところ、普通なら弱小神な僕は来られないし、来れたとしても、建物の中に入れない。


あの時…神集いは宴前の定例報告の時間だった。例年はさらっと終わるだけだけど、僕は少しでも早く氏子たちに会いたくて、事態の収拾に一石投じるつもりで件の発言をした。僕以外の土地神も被害に遭っていたのは分かってたから、言うだけ言って、後は他の神に任せるつもりだった。弱小はできることは少ないのだから。


でも、今、僕はここにいる。あれからはあっという間だった。まず、各国の神々を訪問する使節団に入れられた。周りの神々は僕を言い出しっぺみたく扱う。抵抗したけど、無駄だった。最終的に天照大神に命令されてしまった。それからは本当に忙しくてあまり記憶がない。


そんなこんなで各国を巡ってたくさんの神々に挨拶しまくった。顔合わせだそうだ。協力要請した側としては挨拶しないわけにいかないといつも外交担当している稲荷神…御饌津神みけつのかみの神使である玉藻殿が言っていた。とはいえ、会う神、会う神がVIP過ぎて僕は緊張で死にそうです。


旅の最後に連盟本部…もう逃げ出したい。僕のライフはもうゼロだよ…。言い出しっぺ頑張れ?違うよ!あっ、また生温く笑われた。味方がいなくて僕は悲しい。ホントなんでこんな場所にいるんだか、場違いな感じがハンパないよ。


ウジウジしていると、時間は有限だと言われ、僕はドナドナされて行った。


引き会わされた連盟の上層部の神々はみんな僕よりもずっと上位だったものだから、正直近くにいると威圧感がハンパなくてツラかった。けど、気合いで乗り切った。おかげで、協力体制の強化の確認ができたから、良かったと思う。


本部に数日滞在してから、僕は帰国の途についた。社の書斎には、本条からの私信が届けられていた。内容は、被害報告の追加情報。

曰く、"地方の土地神の氏子が狙われた可能性有り"

他にも色々書かれていたけど、その情報だけが頭の中を駆け巡る。ようは、召喚に抵抗出来ない土地神の氏子が狙われた。僕が弱いから狙われた。無力感がすごい…。相手はずいぶんと狡猾らしい。"気を付けられたし"ということはまた狙われる可能性があるってことか……。忠告してくれるのはありがたいと思うけど、僕は見守るくらいしか出来ない。これからの歯がゆくて、頭の痛い日々を思い、ため息を漏らした。


それは、ある年の神集いまでそう日にちもないという時の一幕である。


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