プロローグ
地球の並行世界の一つであったその界では、なんの問題もなく日常が営まれているようでその実、結構な問題が起こっていた。
某所にて…
「ああっ!!!また連れて行かれた!今年で何人目だよ。僕の氏子がまた減ったしぃ、というか勘弁してよぉ~拉致とか犯罪だよね~せめてこっちに話通してくれないと!って言ってもあっちの界とは交流ないから抗議も出来ないか…。 出雲で話し合うこと決定だなぁ。ついでにあの子たちにも協力してもらおう!」
そして、来たる神在月、出雲大社にて
「ねぇ、君らんとこの氏子は元気かい?」
という件の発言があり、ここにきて神々が無理できぬほどの異世界による日本人拉致被害が発覚、実態調査が開始され、合わせて、他国の神々や交流のある異世界の神々にも協力要請することになった。
それは、第一次異世界大戦が起こるずっと前、戦争の「せ」の字も出ていなくて、どの神もただただ氏子たちの安否を憂い、拉致の犯人がいる異世界の神々への抗議手段を話し合っていた。そんな中、この物語の主人公たる特殊な性質を持ったとある一柱の神とそれを見守ってきたとある一族が動き出した。