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第二十章「戦いの終焉」

「があああああああああああああああッ!」

俺はリベリアの身体の中から由愛の力そのものと言われる白い玉を取り出した。

そして急いで由愛の中に戻す。

「じゃあな、晃・・・」

「要ッ!」

リベリアが腕を引き抜く。

要の身体には丁度腕が入る程度の穴が空き、そこからドボドボと血が流れている。

「色々ありがとな」

「待て!要!死ぬなあああああああッ!」

「授業、寝んなよ?」

要の身体が少しずつ消えていく。

「あ、ああ・・・・!」

今気づいたんだ。

そいつが、要が一番大事な友達だったことに。

「要ェェェェェェッ!」

消えた。

完全に。

この世界から。

要が・・・・!

「貴様らァァァ・・・・!ただで済むと思うなよ・・・・ッ!」

俺は真っすぐに、リベリアに向き合う。

「なあ、この世界で死ぬってことは現実世界でも死ぬってことだよな・・・?」

「それがどうかしたか小娘ェェェッ!」

「お前が・・・お前が要を・・・・ッ!」

「たかが小娘が一人死んだくらいで一々うるさいんだよッ!」

「たかがだと・・・?テメエふざけんなよッッッ!!!!」

頬が濡れる感覚。

前がよく見えない。

涙。

涙涙涙涙。

「リベリアァァァァァァァァッ!!!!」

「テメエだけは死んでも殺すッ!覚悟しとけッ!!!!」

「できるハズがないだろう小娘ェェェッ!お前を殺して僕は再び由愛の力を奪うッ!」

俺は刀を構え、リベリアに斬りかかる。

リベリアはそれを避け、俺の頭めがけて回し蹴りを喰らわせようとする。

俺はすかさず左腕でそれを受けた。

リベリアは足を戻すと一度距離を取った。

「まともに戦っても勝てるが・・・お前は苦しませて殺す・・・!」

リベリアは左目を隠した前髪を上げた。

「まずいぞ美奈ッ!見るなッ!」

俺はとっさに目を閉じた。

視界が消える。

「チッ!知っていたか・・・」

「一体何なんだ?ベルゼブ」

「奴の左目は魔眼だ。炎眼えんがんと言ってな、見た者の身体を焼き尽くす呪われた眼だ」

「博識だなジジィ・・・!だがな、苦しませる方法は別にこの眼じゃなくていいんだよ・・・。視界を奪われ、まともに動けないお前をなぶり殺すッ!それで満足だ・・・!」

ゴッ!

「ぐッ!」

腹部を殴られたようだ。

激痛が身体を走る。

「ひゃはははははははははッ!死ねッ!苦しんで死ねェェェェッ!このゴミ虫がァァァッ!」

ガッ!

ゴッ!

身体の様々な部分を殴ったり、蹴ったりされているようだ。

「どこにいるかわかんねえだろ?わかんねえよな?わかるわけねえよなァァァッ!?」

「糞野郎が・・・なめてんじゃねええええッ!」

「なッ!?」

目を開いた。

業火に焼かれることも承知で・・・。

「おおおおおおおおおおおッ!」

「何故走れる!?今までこの眼を見た奴らは・・・焼かれる苦痛で動くことすらしなかったというのに・・・!」

「焼かれても動けるほどテメエが許せねえってことだ馬鹿野郎ッ!!!」

ザクッ!

「うがあああああああああああああああああああああああああああッ!」

刀が、リベリアの眼を貫く。

「よくも、眼をォォォォォォォッ!」

「どうせテメエは心臓刺しても生きてんだろ?眼は潰させてもらったぜ!」

「確かに高等悪魔はその程度では死なんが何故わかったんだ美奈」

「勘だ」

いつの間にか俺を焼いていた火は消えていた。

「終わりだリベリアッ!」

「まだ終わらねえよ・・・・!」

不意にリベリアが片手を上に向ける。

「これだけはやりたくなかったが・・・仕方ねえ。この命を代償に全てを終わらせてやる・・・!」

「やめろリベリアッ!そんなことをすれば、夢幻世界はおろか、現実世界まで崩壊しかねんぞ!?」

「うるせえ糞ジジィ」

「何なんだベルゼブ!」

「エンド・オブ・ワールド。全てを破壊する死の大魔術だ」

「な・・・ッ!?」

もしそれが本当なら大問題だ。

「終われェェェェッ!」

「終わるのは貴方よリベリア」

不意に聞こえる声。

「由愛!?」

由愛は俺の方に歩み寄って来る。

「貴方と私は一心同体。そうよね?」

「な・・・由愛・・・!何をする気だ貴様・・・!?」

「要お姉ちゃんが死んで、ミントが消えたでしょ?」

そういえばミントはいない。

ってまさか!

「おい由愛!」

由愛は俺の手から強引に刀を奪い取った。

「私は、お姉ちゃんにすごく感謝してる。お姉ちゃんがいなかったらきっと私・・・」

「由愛!」

「ありがとう」

ザクリと、刀が由愛の身体に突き刺さる。

「由愛ェェェェッ!」

由愛の身体が少しずつ消えていく。

「馬鹿な・・・!ふざけるなよ・・・!?この僕が、こんな小娘共にィィィィィッ!!!」

それに比例してリベリアの身体が消えていく。

「ありがとうお姉ちゃん。さよなら」

「由愛ェェェェェェェェッ!!!!!」

消え・・・た。

要も、由愛も、リベリアも・・・・。

「何で俺だけ残ったんだよ・・・・!」

「美奈・・・」

「ッ!?」

突然視界が変わる。

白かった世界が、黒く・・・・・。


続く

〜夢は現となりて〜も次回で最終章です。

ここまで読んで下さった読者の皆様、どうかもう少しだけお付き合い下さい。


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