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※刃渡り六cm以上は銃刀法違反です


あれから学校では私たちが付き合っているとかの噂になっていた。


現に今


「よ、ナナちゃーん!村雨くんと付き合ってるんだってぇ〜??」


「美香・・・おまえ村雨くんがりっくんと知っていたのか・・・?」


「え、エーナンノコトー!ミカビックリキャピルン!」


「み〜かぁああ〜」


「ごっごめん!!でもさ、ほら・・・こういうのって自分で気づかないとダメじゃないかなって思って・・・たぶん陸くんもナナに気づいて欲しかったと思うよ・・・(私も見てて面白かったし)」


「美香・・・・・・っていまなにか変な間がなかったか?」


一瞬感動しかけたもののやはりあやしい。


「な、ないないないない!わたしとナナのあいだに間なんて!ゼロ距離射撃だよ!!!」


「いや、射撃してどうするんだ!」


思わず突っ込むと彼女はてへぺろん!と笑う。もう起こる気も失せた。


「・・・・・・ナナ!おはよう!」


「!!お、おはよう・・・・・・村雨くん」


「??昔みたいにりっくんでも・・・「村雨くんでもいいだろう!」


「う、うん・・・ナナ俺に教科書みせてくれないかな?前の学校のしかないんだ」


「あ、ああ」


そういえば、と疑問が浮かび


「あのな村雨くん・・・君はなんで今戻ってきたんだ?」


「昔の約束を果たすためかな。ナナ、俺が君にかったのなら結婚してくれるっていったからね。まぁ、負けちゃったけど・・・ってそれよりお弁当どうかな??」


そう、私は今彼のお手製お弁当をたべている。なんというかこれは普通逆ではないだろうか?


爪や血液やらなにか混入していないかすこしひやりとしたが、意を決して食べればおいしいものだった。


「もちろん何も入れてないから安心して!ナナ・・・まぁでも愛情は入れたんだ・・・」


ぽっと頬を染める村雨くんを華麗にスルーして卵焼きをつまむ。


「卵焼き・・・美味しいな・・・懐かしい感じがする」


「ほんとに?嬉しいなぁ〜。ナナは昔から甘めの卵焼きが好きだったよね!」


「ああ・・・ありがとう村雨くん」


「あっ・・・・・・ナナがまぶしすぎて俺は 倒れそう・・・!!!」


「・・・・・・」


死んだ目をしているとき、救世主美香が現れる。


「やーやー!おふたりさん!お、美味しそうな卵焼き〜ね、私にもちょうだいよりっくん」


「あ、美香ちゃん。うんいいよ!」


笑顔で卵焼きを差し出す村雨くんはなんというかこう・・・すごくヒロインだ。


「うんうん。嫁に欲しいくらいだね〜」


「み、美香ちゃん!その・・・俺はナナのだから・・・ごめんね・・・」


「っかぁーー!いい嫁持ったね!ナナ!」


「嫁じゃない」


「そ、そうだよ!ナナはかわいいお嫁さんだよ!」


話がどうにも噛み合わない。ため息をついて箸を置く。


「ご馳走様。すまない、私は図書委員がある・・・美香のことを頼んだ、村雨くん」


「あっ、うっ、うん!待ってるねナナ!」


私が教室を出るとき村雨くんと美香は楽しそうに話していた。なんだかガールズトークと言う言葉が似合う。


図書館に行くと、いつも一緒の登板の男の子なもう先に来ていた


「こんにちは。今日もここは人がいないな、和泉(ワイズミ)くん」


彼は読みかけの本からちらりとこちらに視線を向け、「そうだね」と素っ気ない返事。


「今日は何を読んでいるんだ?」


「ハムレット」


「ああ、この世の継ぎ目は外れてしまった。なんの因果か、それを直す役目を押し付けられるとは!のやつだな。私はどうしても復讐や悲恋が苦手だ。シェイクスピア読んでみたいのだがどうにも、な」


「・・・・・知ってる。君が悲劇を読んだあとは1日眉が寄っている。これを読むといい、テンペスト。喜劇」


手渡されたそれを受け取る。まさかわざわざ持ってきてくれたのだろうか。


「ありがとう、和泉くん」


「別に。それより、今日は機嫌がいいみたいだね」


「ああ!実は久しぶりに幼馴染みと合ってな、彼の卵焼きを食べたんだ」


「彼・・・・・」


「ああ、転向してきた村雨陸也という」


「ふーん・・・ッチ・・」


和泉はナナにバレないようこっそり舌打ちする。

彼女をこんなにも笑顔にするのは異性で自分だけだと思っていた。


なのに、なのになのになのになのになのになのになのになのになのになのに!!なんでそんなやつにそんなかわいい笑顔向けるの!?と、考えているのだ。ヤンデレは恐ろしい。


しかし困ったことにナナの周りにはこんな男しかいないのだ。それにこれ、そういう小説ですから。


「どうした?なにか機嫌が悪そうだが」


「好きなの?そいつのこと」


「すっ!?そんなわけではない。友人としては好きだよ」


「そう。僕はすきだよ・・・アンタのこと」


「また冗談を。私も君のことは好きだよ。図書委員だれも来ないのに君はいつも来るな。助かっている」


「そういうことじゃ・・・・・っ!?なんでもない、そろそろ僕が締め作業をするから、君は帰っていていいよ」


彼は私がなにかいう前に、鍵を取りに行ってしまった。


確かに時間が危ない。私は『ありがとう』とメモを残し教室へと急いだ。










「・・・・・出てきたら、転校生」


和泉はナナが居なくなったあと、ため息をつき本棚の影に目を向ける。


「なぁんだ・・・・・バレてるの??ねぇ、君俺のナナに何の用なの?ナナさんの何なの?」


出てきたのは村雨陸也。彼は和泉への敵意を隠そうともしない。最もヤンデレにそんな器用な真似を求めること自体が不可能なのだろうが。


「俺に、何の用?君こそ彼女のなに?」


和泉は一切の表情をそぎ落とした無表情で彼を迎える。

そして口調も俺に変わっていることから、少なからず彼女の前では猫をかぶっていたことになる。


「俺は幼馴染だよ。彼女は僕のお嫁さんなんだ・・・・後からポッと出てきたような泥棒クソ野郎にナナさんを渡したりしない。ナナさんは大事な人なんだ」


「つまり、俺に釘を刺しに来たの」


「ううん。違う、かな。釘を刺しにきたじゃなく・・・死刑宣告だよ。次、彼女に触れたら殺すって」


ニコッと清々しいまでに笑ってみせた村雨に、和泉は嘲笑を返す。


「やって見ろ。このクソ(ピーーー)野郎・・・・幼馴染みだからって調子乗ってると殺す」


「は?こっちこそ・・・・君ナナさんに近すぎ。僕よりも最近の彼女知ってるからって調子乗ってると殺っちゃうよ」


二人は同時に怒りが沸点を超えた。

相手に近づき、喉元に刃物を当てる。


村雨はカッター、和泉は彫刻刀。

彼らは互を睨んだままぐっとそれに力を込める。


キーンコーンカーンコーン。

ちょうどよく鐘が鳴る。二人は同時に刃物を下ろし、相手を睨む。


「・・・・・次は殺す」


「夜道気をつけた方がいいと思うよ?」


二人は互いに背を向けて教室へ戻る。


一方その頃ナナはというと・・・・


「うっ・・・・なにやら寒気・・・嫌な予感がする・・・・」


「誰かが噂でもしてんじゃーないの?あれ、そういえばアンタの嫁は?」


「嫁じゃない村雨くんだ。さぁな」


村雨くんはかっこよくて主人公に釣り合う男になりたくて一人称を僕→俺にしています。

あとナナさん→ナナというのも意識的にやってるけど慌てたり怒ったりすると戻ることも。


和泉くんに関しましては主人公を気に入っているので俺→僕になってます。そしてこの人すごく口が悪い。でも猫かぶってるので主人公気づいてません

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