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※スタッフが美味しくいただきました



「んで?平手打ちしてきたとゆうことでちゅかナナちゃん」


「む、なんだ美香。その言い方はトゲがあるな」


事のあらましを説明すると彼女は盛大にため息をついた。


「あーあ・・・私からは言わないでおくわ。だっておもしろいから!」


「!?」


今一番の悩みをおもしろいからと友人に言われた私の気持ちはこれ如何に。


それからさきも私はずっと調子が出ないまま。


頭の中は好きだよといわれたことと、その主陸也でいっぱいだ。

次の日になってそれは収まるわけもなく。

おかげでちょっとした寝不足に陥るほどだ。


「ちょっといつまでぼーっとしてんの!ほらしゃきっとする!次体育だしバレーよ!」


美香に促され、のろのろと移動して着替える。

やはりもやもやは晴れないどころか悪化した気がする。


ちらりと村雨くんの様子を伺うとまたしても視線が合う。


「・・・君が欲しい」という言葉が頭の中でフラッシュバックして思わず顔が赤くなる。


「ちょっ!ナナ!アンタ無表情で顔赤くしてなにしたの!熱!?熱なのか!?」


美香はぎょっとして私の顔を見る。


「いや、少し熱いだけだ」


「少しにしては尋常じゃない汗なんだけど!?」


「すまないすごく暑いの間違いだっと」


「いま真冬ですけど!?」


ぐるりと体育館を3週して、バレーにはいる。しかし、やはり私は集中できない。


隣で男子はバスケットをしているのだが、どうしても彼の姿が目に付く。無意識に彼を見ているのかとしれない。


「ちょっ、ちょっとナナっ!!」


「ん?なんだ美・・・・・・っが!?」


ドゴォと轟音が鳴り響かんばかりの剛速球(?)が私の顔にめり込む。


あまりの勢いに頭から後ろに倒れる。


「わー!?ごっ、ごめん!大丈夫!?」


サーブをした相手はバレー部だったらしくそれならこんな強さなのもうなずける。


思い切り鼻を打って鼻血がぼだぼだと溢れる。商事気恥ずかしい。


「・・・・・・あ、ああ大丈夫。すまない・・・でもちょっとほけんし「ナナさん!!」


慌てた声がしたと思ったら視界がぐんと持ち上がる。

私は何故かお姫様だっこされていたのだ。


「・・・・・・村雨くん?」


「ナナさん!じっとしていて!俺が保健室につれてくから!!大丈夫?痛いよね!?」


村雨くんは真っ青な顔をして私を抱え、保健室まで走る。

保健室を目指すその真剣な顔には見覚えがある気がした。

ナナさん、と呼ばれ懐かしい気持ちになった。

私には幼馴染がいる。彼は引っ越してしまって、音信不通なのだが・・・。

ってもしかして・・・


「もしかしておまえ・・・りっくん、か・・・?」


「・・・・・・今更気づいたの?ナナ」


へにゃっと困ったように笑った顔はまさに記憶の中のりっくんであった。


「え、と・・・その・・・変わりすぎてわからなかったんだ・・・・・・りっくんだったのか・・・」


幼馴染のりっくんこと村雨陸也。

彼は私が幼稚園の時に仲が良くなって中学の一年までずっと一緒だった。


でも、彼は私のすぐ後ろをついてくるどちらかというとひょろひょろの恥ずかしがり屋だった気がするのだけれど。


「保健室ついたよ。はい、ナナ。これティッシュ。それから血まみれの体操服脱いで」


「体操服を脱いでは着るものがないのだが」


「俺の上着着なよ。半袖でも大丈夫だから」


体操服を受け取り、着るとなんだか懐かしい匂いがした。


「あ、ありがとう・・・なんだかこれ・・・りっくんの匂いがするな・・・ちょっと落ち着く」


「・・・・・!!??ナナ、その、あんまりかわいいこというと俺爆発しちゃうから・・・・その・・・控えて・・・」


顔を真っ赤にして背ける村雨くん。匂いを嗅ぐのは流石に失礼だったか。


「ああ体育戻ってもいいんだぞ。私に付きあわせてすまない」


「ナナをおいていったりしないよ。俺はいつも君に助けられてたからね・・・ほら、換えのティッシュ」


「すまない。ところで、村雨くん・・・・なぜ私の体操服を持ってるんだ?私が洗うから気にしないでくれ」


「いや!俺が洗って返すよ!うん!ナナの血がついてるしこれ!絶対綺麗にして返すから!」


「そ、そうか・・・・・」


彼の迫力におされて頷く。


数日後、何故か新品の体操服が私の元に来たのだがそれはまた別の話だ。





血液がいっぱいついた体操服はスタッフ(村雨くん)が美味しくいただきました


プラス血のついたティッシュと主人公が横になったベッドもです。村雨くんお金持ちだから。


金持ちがヤンデレって相当面倒ですね。

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