※盗撮は犯罪です。
懐かしい、夢を見ていた。
これはそう、昔の中学の時の話だっただろうか。
「ん・・・??」
中学時代のある朝、私はガタン!!というなにかが地面に落ちる音で目を覚ました。
うっすらと目を開けると、幼馴染がなにか落としたらしく慌てふためいているさまが見えた。
ま、どうでもいいや。(けしてよくはないが)
実は概ねいつものことなのでそのまま眠気に任せ目を閉じる。
「はぁ、ハァ・・・ナナさん・・・寝顔・・・」
しかし、今度はやたらと荒い息遣い。
さすがに無視することもできず鬱陶しいなぁと目を開ければ、そこにはビデオカメラを持った幼馴染が息荒く撮影していたのだった。
「うっ、うわぁ!!お、起きてたの!?」
「うん・・・まあ・・・で、それは?」
ビデオカメラを顎で指し、ぎろりと睨めばヒッと小さな声をあげる。
「こっ、こここれはァ!!!なっ、なんでも・・・ナイヨ??」
あまつさえ全力で目を逸らして冷や汗を書いている。
「はぁ、もういい。きがえるから出ていってくれないか。もうすぐ私も行くから」
「あ、うん!そうだ、あのねナナさん」
「ん?」
「おはよう!今日も一日、頑張・・・?」
ピコリーンピコリーンとわたしの携帯が立て続けに着信を告げる。
「ああ・・・昨日ホストとかいう奴とアニメの中から出てきたとかいうやつからメール来てたけど・・・あれ誰?もう二度とメール送ってこないように・・・・・・俺お願いしたよ・・・??だってナナさんは俺だけのものなのにあいつらナナさんのなんなの?」
思い出したように虚ろな目で問いかけてくる幼馴染。
いや、普通に考えてこれ迷惑メールだから。
「うん・・・それ迷惑メールだ・・・貴方が返信したおかげできっと大量の返信がくるよどうもありがとう」
「ぇえ!?ご、ごめんナナさん!!わわわどうしよう!!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だからゴミみたいな女の写メもあったんだ・・・ナナさんが女の子好きじゃなくてよかったよ・・・」
「なにか言った?」
「んーん!じゃあ俺は下で待ってるね!」
彼は題名にもついてるがとても弱い。(H)ヘタレ(H)ひょろい(H)変態のスリーHでヤンデレな幼馴染なのだ。けしてRのつく18のHではない。
そして私はドサクサに紛れ忘れられたビデオカメラの全データをそっと削除した。
「ん・・・今日もいい天気!!・・・・・・過ぎてだるいな・・・」
ため息をつきながら階段を降りると、パンの焼けるいい匂い。
「ナナさん!顔洗ってきてね。それからそれからおはようのちゅ「顔洗ってくる」
おはようのちゅーを華麗にスルーして顔を洗ってくると、テーブルには綺麗に食事が用意されている。
ここでヤンデレに注意すべき点1つ!
料理劇物混入!!(血液、髪の毛、爪、etc・・・)
「今日なにかいれた場合半殺しも覚悟しろ」
「いっ!いいいれてないよ!!!」
「そう」
食事になにか自分のモノをいれるなんて正直料理がまずくなるので前にやられたときは半殺しにした。
「ごちそうさまでした。学校へ行こう、りっくん」
「うん!あのね、ナナさん今日のご飯はどうだった!」
「うん、爪が入ってたら殺そうと思ったけど美味しかった。感謝する」
「なっ、なななななななナナさんに・・・ほ、められ・・・」
カァッと頬を染める陸。まるで乙女の反応だ。私が男で彼が女の子のようではないか。
気色悪さに顔をしかめると、りっくんは恍惚のヤンデレポーズをとっている。正直嫌な予感しかしない。
「それに・・・僕、ナナさんになら・・・殺されても、いいよ?」
「ふざけるな刑務所行きじゃないのかそれは」
「なら二人で一緒に・・・死のう」
どこから取り出したのか、彼は包丁を持ちうつろな瞳で笑う。
「ね?それが一番いいよねナナさんにとっても僕にとってもすごくいいこととにきまってるよだってナナさんによってくる悪い虫もなにもいない世界に二人で二人だけで行けるんだよこんなに幸せなことってないよね僕とナナさんだけの楽園だもの二人ずっと一緒て離れないんだそうだよならいますっ・・・けほっ・・・こほっ・・・」
息継ぎなしに喋ったためか、けほけほと咳をする。ため息をついて背中をさすってやり、さり気なく包丁を没収する。
「一気にしゃべりすぎだ。ほら深呼吸しろ。それから飴ちゃんだ」
「すぅ〜はぁ〜・・・あ、ありがとう・・・わぁ俺の好きなみかんのあめだ!ありがとうナナさん!」
「ん」
「あれ、俺どこまで話したっけ?」
「さぁ・・・とりあえず私が貴方のこと好きってところじゃないか」
「え!!ナナさんほんとに!もっかい!もっかい言っ「学校遅刻するよ」
私の隣にいるヤンデレ、もとい幼馴染のりっくんはとてもちょろい。
昔からちょろかったので、ヤンデレになろうとも大した脅威はない。
それに、彼は私に握力・知力・運動能力等全て劣る。
故私は殆どヤンデられて殺されることもない。
いざとなれば毎日持ち歩いている(部活のため)竹刀を使えばいい話だ。
しかしこれは昔の夢。あのあと、りっくんは引っ越してしまいそれからずっとあっていない。
なんだかとても懐かしい夢をみた。
今頃りっくんは何をしてるのだろう。元気だといいな…。
久しぶりにいい夢をみて、気分がいいが夢は願望の表れだという。
私はあの面倒でちょろいりっくんが懐かしいんだなぁと苦笑して家を出た。
退屈な毎日、今日も私はため息ばかり。
外は曇天。学校がようやく終わったので、気持ちを入れ替えて剣道場に入る。
所属する部活は剣道部。私はそれなりに剣道の腕はあるが、それ以外は特に変哲もない普通の人である。
退屈な毎日の中で唯一楽しみ、それが剣道だ。
いつかの約束を果たすため、わたしは剣道の練習を毎日欠かさない。
「お、きたな〜!!」
友人の美香がにやにやとしたり顔で脇をちょいちょいとつつく。
「ああ、きたよ。なにかあったのか?」
そういえばみんながざわざわしているし、何故か普段はいない制服姿の女子が多数いる。
みんな一応にそわそわしていたりはしゃいでいるので、なにがあったのかと気になってはいた。
「なんとなんとね・・・どぅるるるるる・・・じゃーーーん!!今日転校生がきてね・・・なんと明日からなんだけど今日部活見学来たみたいなの!」
「へぇ・・・私には関係がないな」
美香のセルフドラムロールで告げられた出来事は全然対したことではなかった。ドラムロールの意味があったのかも甚だ疑問である。
「もーまた無表情!イケメンだったらどうすんのよぉ〜」
イケメンだったらどうするか、というかこんなにも女の子たちが来ている時点でイケメンなのだろう。
それにそんなの愚問だ。どうもしないにきまっている。
「さてね、私にはさらに関係がないな」
「アンタ・・・まさかまだあの約束・・・・・・・・・アイツはもう「わかっている。アイツはまだ来ない」
どうやらそのイケメン(仮)は胴着に着替えているらしく、更衣室の周りに人だかりが集中している。
ガラッと木製のドアがあく。
そこに居たのはなるほど確かに容姿端麗と言ったふうな男の人がいた。
まじまじと見ていたのがバレたのか男の人とバチリ視線が交わる。
「ああ、久しぶり」
にっこり、と笑を向けられるものの私は彼と知り合いではない。
しかし覚えていないというのも申し訳がない。
「私に何か」
とりあえず用事を問うてみる。
「俺と手合わせしてよ」
瞬間ざわっとみんなに動揺が走る。
実は私、剣道に関して男子にも負けないくらいの実力をもっている。
だからほとんど私に挑む人なんていなかったのだが・・・。
「ちょ、ちょっとそこの転校生くんこのこがなんて呼ばれてるか知ってるの??」
「無敗の七冠だよね?」
とても恥ずかしい呼ばれ方だが、私は高校一年の今までで七つ大会に出たのだが全て無敗で優勝をもぎ取っている。
そうしているうちにいつしかこう呼ばれるようになってしまった。
「えぇ!?それでも挑むの!?」
「勿論!その為にきたんだもの」
「その申し出、しかと受け取った。では、はじめようか」
「うん。よろしくね!」
準備は整い両者位置につく。
はじまりの挨拶が交わされ、両者の睨み合いが始まる。
先程までざわついていた観衆もぴたりとその話をやめていた。
互の剣先を微かにぶつけながら相手の隙を伺う。
刹那空気が弾け、相手の一撃。
その一撃をなんとか防ぎきり、その後も両者とって取られての攻防が続く。
「メェエエエエエン!!」
しかし僅かな隙を突き、なんとか勝利した私。
礼をして一息つくと、静かだった道場に賑わいが戻る。
「いやぁ、負けちゃったか・・・流石にまだ無理か・・・ありがとう。次は負けないように頑張るよ」
「ああ。君の腕もなかなかだった。正直負けるかと思ったよ」
「ふふ、ナナは嬉しいこと言ってくれるなあ」
「ナナ・・・・・・何故それを・・・」
ナナとは私のあだ名である。
それを知っているのは美香と、それからアイツだけ。
でもアイツはこんなにがたいはよくなかったしひょろひょろ。
「貴様一体・・・・・・「あ、こんなところにいたのか村雨!」
むらさめ?
突然のことに振り向くと先生が同条に入ってきていた。
「お、村雨の相手してくれてたのか。ありがとうな」
「いえ・・・ところでこの人の名前・・・村雨?」
「ん?おお、村雨だ」
村雨・・・それなら私の知っているアイツではない。一瞬期待した自分に喝を入れたい。
「はい、すみません先生。じゃあね、ナナ」
謎の転校生は颯爽とさっていく。
一体誰なのだろう。なぜ私のあだ名を知っているのか、なぜ戦いを挑んできたのか・・・わからないことだらけだ。
「美香・・・あれはいった「ちょっとーー!!村雨くんとどういう関係なよー」
美香は鼻息荒く、目を輝かせている。
「いや、こっちがききたいな。それ」
もやもやした気持ちを抱えたままつぎの日、学校に登校するとそこは転校生の噂で持ちきり。
そんなに物珍しいだろうか。私が興味がないだけなのか。
「はい、ホームルームはじめるぞーおまえらーあ、あとこれ転校生な。廊下でまたせるの面倒だからそのまま連れてきた。えー村雨陸也だ。今日からお前らのクラスメート。で、それから本人たっての希望でお前のとなりな」
先生は面倒くさがり屋で有名だが、転校生の自己紹介を全て自分で済ませてしまった。
そしてお前とは・・・・・・
「先生、私のことですか」
「おーそうだ。なんでも知り合いらしいからな。それできまり。あとはまかせた」
キリッと笑顔を見せた先生。ほんとにめんどくさがってるだけだろこいつ。
確かに何故か隣の席の女の子が別の席に座っていたので、そんな気はしていた。
まぁもう決定事項のようだし、昨日のこともある。
いろいろと聞き出すチャンスだ。
「久しぶり、元気だった?ナナ」
席に着くなり笑顔を見せる村雨くん。
「至って良好。それより君はいったいだ・・・」
キーンコーンカーンコーンとホームルームが終えたことを告げるチャイム。
それに合わせて女子たちがいっせいに席に押し寄せる。
このままでは聞き出すことは難しい。
どんどん聞きづらくなっていくなぁと思いながら、私は密かにため息をついた。
そうこうして聞けないままにお昼になり、美香は嬉々として私の元へ駆け寄る。
「で、で?どうよ!」
「どうしたもこうしたもない。女の子に囲まれて話せない・・・上に今更誰だとは聞きにくいぞ、美香」
「だ、だよねぇー。ってあらあら?転校生が何かいいたそうにこちらをみているわ!」
ちらりと横目で確認するとばっちり目が合う。
「美香ちゃん。よかったらナナを借りてもいい?」
「・・・!アンタ・・・まさか・・・・・・・・・わかった。ナナ、ついていきなよ。あたしはまってる」
いつになく静かで真剣な美香。
説明を求めて見つめるが、彼女は無言でふいとそっぽを向く。
「ナナ、行こうか」
「あ、ああ」
村雨くんは笑顔で私の手をとり、教室を出る。
「少しいいか?」
「なにー?」
「なぜ手をつなぐんだ?」
「え、嫌だった!?」
ちょっと傷ついた、みたいな顔をされてはわたしも嫌だとは言えない。
そもそもの話あったばかりの人にベタベタされたくない・・・のだが。
彼は明らかに私を知り合いとみなしている。よって拒むのもそれはそれでかわいそうでできない。
「あー、それよりも何処へ行くんだ?」
「屋上だよ開放されてるってきいて!」
「そ、そうか」
屋上はがらんとしていて人気がない。まぁそれもその筈ここいろいろと出るって有名だから。
屋上に来ると、いきなり村雨くんは私を抱きしめた。
「わっ!?」
「ナナ・・・ずっと会いたかった・・・ずっとこうして君の柔らかい体を抱きしめて腕の中に閉じ込めておきたかったんだよ・・・俺のナナ・・・もう離れない」
!!!???
ざわりと全身が総毛だつ。
いま、とても信じられない出来事が多発した。
まず1に抱きしめられている。2にずっと会いたかった。3に俺の、俺のナナと言われた。
導き出される答えは1つ。
この人・・・変態だーーーーー!!??
「すまない・・・その・・・「何も言わなくていいよ、ナナ・・・好き・・・大好きなんだ。この腕と、足と、命と引き換えにしたって惜しくない。君がほしい」
ポカーンという効果音が正しいだろう。わたしは意味を理解しないままに唖然としていた。
そして時差で顔が熱くなる。すきと、この男は私を好きと言ったのだ。
「ねぇ、キスしてもい「だ、駄目だ!」
私は思わずスパーンと彼の右頬を叩いていた。
「付き合ってもいない男女がキスするのは不純だ!わたしは一足先に返せてもらう!」
そう言って足早に屋上を去った。
「あーあ、失敗したかな?」
屋上に残された村雨陸也はため息をつく。
けれどその割に口元は笑の形だ。
なぜって?それはすきといってからずっと彼女の顔が真っ赤っかだったからだ。
ぽかんとしたあと不意打ちをくらったように驚いた顔をして、一気に顔を赤くさせたナナ。
それを思い出し、大事なものを愛でるように「ナナ・・・」と呟いた。
「ほんとに、可愛いよね・・・でもさっきの顔は反則だったかな・・・可愛すぎて思わず誰にも見せたくなくなっちゃうよ。誰もいないところに監禁でもしたくなる・・・」
一方その頃ナナは・・・
「へくしゅっ・・・・・・なにやら悪寒!」
ブルりと体を震わせ腕をさすっていた。
「あ、ナナー!どうだったのよ?」
「美香・・・どうもこうもない。平手打ちしてきた」
「平手打ちィ!?」
ヤンデレは好きです。
でも、最近ヤンデレ+ちょろいをたしたら面白いかと思いました。
ヤンデレだけどちょろいからあまり本格的ヤンが無いかもしれないけど書くようにがんばります