さあ、スキルを覚えよう
更新が遅れました、5話です。
「手を貸す?」
代わりに、倒してくれるとか?超ありがたいんですけど…
「ああ、剛に一つスキルを教える」
……俺弱すぎて、そのスキルが使えないかも〜
そんな、俺の気持ちを察知したのかブロウは少し笑いながら言う。
「大丈夫だ、勢い余ってケルベロスを殺してしまったりはしない。そんな危険なスキルじゃあないから」
訂正、俺がケルベロスを殺すのを恐れてるとでも思ったらしい。
いや、むしろ強いスキルじゃないと不安なんだけど…
だって、俺が持つスキルって逃げ足が早くなるスキルとちょっと強く見えるだけのスキルだぜ。
そこらのチンピラだってそれくらいのスキル持ってるんじゃね?
コイツの教えてくれるスキルが、雑魚スキルだったりはしないよな…
「なんて言うスキルなんだ?」
ブロウが少し離れて
「まあ、見てろ」と言う。
ブロウがふぅうと息をついた瞬間ー
ビクッゥ、と俺の体が震えだした。
何だ?これは…俺は震えながらも、ブロウの方を見た。
ブロウは凄まじいほどの殺気を周りに放っていた。どうやら、この震えはブロウが言ったスキルの効果らしい。
いきなりスキルを掛けてくるとは、怖い奴だな…
ブロウが、殺気を放つのを止めた…が俺の震えは止まらない。
「これが、そのスキル…名前は威嚇だ」
威嚇…またなんかしょぼいスキル臭がする…
いや、だがさっきのブロウの気迫は凄まじいものだった。
現に、俺以外にも部屋にいた兵士達が全員顔を青くしている。
「これ、そんな簡単に覚えれるのか?」
まあ、覚えてもケルベロスを倒せる程とは思えないが…
「ああ」ブロウは、自信ありげにそう言った。
「だがその前に、スキルは何を使って出すかわかるか?」
どう言うことだ?なに、魔法なら魔力〜みたいなの?
何だ?あの時の項目の中にはそれっぽいのは…体力か?
体力ってでもゲームで言うHPっぽいんだよな…一応聞いて見るか。
「体力か?」ブロウは微笑み「正解」と
なら、一つ疑問ができる。この世界では生き物はどうしたら死ぬのか。
記憶があまりないが、俺が元いた世界と同じなのか。それとも、ゲームみたいに、体力が0になると死ぬのか。
「なあ、人ってどうやったら死ぬんだ」
「それな、俺の師匠が言うには、お前の元いた世界と同じらしい」
「師匠?」
「いや、俺の師匠が前任の勇者でな、お前と同じ地球から来た人らしいんだ。」
へぇー、その人に会えば俺の記憶が少しわかるかもな…
「ケルベロス戦が終わったら、師匠に会わせてもらっていいか?」
「構わない。」
よしっ、じゃあ取り敢えずはスキル取得を頑張るか。
「それでな、このスキルは剛が元いた世界の、極道って奴を意識してやればうまくできるらしいんだ。」
極道か…まあ、イメージできないこともないな…
「後は、自分も極道の様に殺気を周りに放てば言いらしい。だが、ただ放つだけじゃない。その時に体の中からエネルギーを放つんだ」
できるかな?極道をイメージし…殺気と体のエネルギーを放つ。
俺は極道、鬼の道をゆく修羅…そう俺は鬼神!
俺はドンドン頭の中でイメージを創り出していく。
「オォンドォレェアァァァアア」
その時、俺の中の何かが目覚めた。
バキバキバキバキ
「ハァハァ」
泡を吹いて倒れる兵士達、顔を真っ青にして固まってるブロウ。
…ヤバイ、なんかスゲえのできちゃったかも。
閲覧ありがとうございましたm(__)m
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