勇者の嘘
3話です。
「剛よ!どうじゃステータスは!」
王様が目をキラキラさせて迫ってくる。
俺の夢だよな…これ?
何で俺弱いの?まさか夢じゃないのか、これ。
イヤイヤ、ダカラソレドンナファンタジー!
試しに、頬をつねって見た。
「勇者様どうしました?」
頬をつねってる俺を見て兵士達がオロオロしてる。
でも、本当に焦っているのは俺だ。
頬が……痛い、夢じゃなかった。
あ、ありえない。今、この俺が過ごした時間は…現実だということなのか?
誘拐は違うな…だってステータスが本当に浮かんでたし。
「剛よどうした?具合でも悪くなったか?」
っと、取り敢えずこれは後で考えよう。まずは、このカスみたいなステータスをどう説明するかだ。
本当のことは、言わない方がイイよな。でも俺は、嘘はつかない男になりたい…よしっ
「いや、自分のステータスがあまりにも、凄まじいのでな驚いてしまっただけだ」
『おおっ』
兵士達や王様が声をあげる。
俺、ベツニウソハイッテナイヨネ。凄まじいくらいザコいモンね。
「剛!それでは、早速主の戦いを見せてもらおうではないか!兵士準備を頼むぞ!」
『了解です』
急ー展ー開ー
ヤバイ、これはヤバイ。俺が戦う?無理だよそんなの。
ステータスはクズ。しかも、戦闘経験はゼロ。何で俺来たばっかで戦わさせられんの?
「剛よ、相手はケルベロスとミノタウロスどちらがいいかの?」
どちらも嫌だ…何で初っ端から強そうな奴なのと戦うのか分からん…
せめて、この二体で弱いのを選ばないと…
「ケルベロスがいい」
犬好きだし、戦わずに懐かせるしかない!
『おおっ』
何故か歓声が上がる。
「剛よ!主は自らより強い敵を選ぶのか…素晴らしい!」
………やっぱりミノタウロスがいいな〜
なんて言える雰囲気じゃあない。
くそっ、やってやる!俺のステータスを駆使してケルベロスを倒してやらァ!
ガチャ
不意に、部屋のドアが開いた。
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