終幕‐エスメラルダの災厄‐
エスメラルダの息子ジーナと陛下の娘です。
あと短いです。
「ジーナは私だけのものなの」
衝撃と共に腹から熱いものが込み上げてくる。
その感触と気が遠くなるほどの痛みに僕はただ酔いしれる。
周囲はこの事態に騒いでいるがそんなこと気にしていられない。
思考は全て鮮烈なまでに僕を刺したお姫様に引き寄せられる。
僕の大事なお姫様が泣きそうな顔で僕を見上げてくる。
その手には僕を殺すための短剣が握られていようとも、お姫様が僕を殺したくなるほど僕を欲してくれるなら本望だ。
「ジーナは私だけのジーナなの…どうしてどうして私を愛してくれないの?」
そういうお姫様の気持ちは僕にはわからない。
こんなことしなくても僕は君のものなのに?
お姫様が僕の腹に刺した短剣を一気に引き抜き、僕はそのまま床に崩れ落ちた。
血でぬれた短剣を持ったお姫様は僕を見下ろしながら笑っている。
そしてそのまま幸福そうにゆっくりとその短剣を自身の首にはしらせた。
誰も止めるすべもなく力を失くしたお姫様が僕に覆いかぶさってくる。
「ほらジーナこれでずっと一緒にいられる。だれにもあなたを渡さない。」
満足そうにそうささやくお姫様にそうだねと僕もうなずいた。
こうしてお姫様とともに果てるのは嫌ではない。
けど、どうして僕たちはエスメラルダのような関係にはなれなかったのだろうか…?




