終わりと始まりの話
2話連投です。そしてエスメラルダ最終話になります。
陛下がなくなった。
その死は眠るようで表情も満たされたかのように穏やかだった。
だがそこは沈黙だけが支配していた。
王妃や王女は陛下に取りすがることもなくただ立ち尽くしていた。
家臣たちでさえ悲痛と共にその異常さに動けないでいた。
それはそうだろう。
陛下は愛する家族に声をかけることもなくなったのだ。
それも数年前醜聞となったかの女の名前を口に出して幸せそうに…
そんな彼らを部屋の片隅からジーナだけが笑ってみていた。
陛下がなくなったことは公となったが、エスメラルダの件は誰もが口をつぐんだ。
そのためエスメラルダのみ醜聞が残った。
陛下亡きあと跡を継いだのは陛下の一人娘であり王女だ。
新たな時代が始まる。
悲しみと共に民たちに愛される王女に誰もが期待を寄せた。
それと共にエスメラルダの醜聞も忘れられようとしていた。
だが、それは悲劇と共にまた人の口に上ることになる。
だがそれはまた違う話。
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私はエスメラルダ。陛下だけのエスメラルダ。
たとえ周囲の人を不幸にしたって貴方が幸せになるのなら私は何でもするのよ。
私たちの関係は受け入れられなかったけど、それでもいいの。
醜聞となって人から蔑まれようともそんなこと気にしたりはしない。
だって陛下は私を必要としてくれるもの。
男女の情で私たちは結ばれていなかったけれどあなたへの思いは愛だった。
だれよりも自分よりも陛下が大切だった。
もしも、私たちが違う愛の形で結ばれていたのならまた違った意味で人を傷つけていたことだろう。
陛下は私の全て。
私を私たらしめてくれる存在だった。
陛下に出逢えたからこそ私、エスメラルダが生まれた。
ねぇ、陛下。もしまた巡り合えたら私はまた貴方のエスメラルダになってもいい?
なのですが番外編のジーナの話をあげて完結とします。




