チャプター1 プロローグ
(これから始まるのは、俺たちSWATが経験したトラウマだ。 遭難者を救出する任務で終わるはずだった。だが...)
月明かりに照らされた夜。
コーロスシティ郊外の森上空を飛ばす2機のヘリがあった。
SWAT部隊だ。
2機の内、1機のヘリに乗っている隊長ケネスが、部下たちに指示する。
「よし、各自装備を確認しろ。 」
それぞれ、ハンドガンやショットガン、サブマシンガンの弾をセットする。
操縦士のダグが、ヘリを止め、ケネスから降下。
続いて、ブルース、リズ、ボブ、アーロンも降下していく。
もう1機のヘリは着陸し、クリス、ケビン、ケイティが降りる。
全員集合し、ケネスが彼らを誘導する。
森は不気味な雰囲気を醸し出している。
奥深くへ進む一行。
ボブとケビンが最後尾につき、それぞれリボルバーとサブマシンガンを構えて警戒する。
ケネスはブルースとリズに指示を出した。
「ブルース、リズ。」
待機する彼らから離れる2人。
拳銃を構えつつ、ブルースはリズに言った。
「気をつけろ、リズ。夜はどんな奴がいるかわからない。」
「OK。行きましょう。」
進んで行く2人。
すると、ブルースの視界に、闇の中から白い何かが見えた。
それはこちらへゆっくりと近づいてくる。
警戒するブルースとリズ。
白い何かとは、白いシャツ着た女性だった。
しかし、様子がおかしい。
顔は酷く疲れはて、白いシャツの至るところに血痕が。
彼女を庇うブルース。
「君、大丈夫か?助けに来たよ。もう心配ない。」
ブルースのそばでリズは隊長を呼んだ。
「隊長! 生存者を発見。」
2人の元へ駆け寄る隊長たち。
「よし、他にも生存者がいるはずだ。引き続き捜索を実行する。」
ケネスが部下たちに指示している傍ら、クリスは女性を見て恐怖に駆られた。
「マジかよ...」
彼の言葉を気にせず、ケイティが女性に話しかけた。
「大丈夫。他の人たちも必ず見つけますから。」
「みんな死んだ...」
「えっ...?」
「そっちに行きたくない...」
女性はケネスたちの行く方向を指して言った。
次の瞬間、女性はポケットからナイフを取り出し、喉に突き刺した。
血を流して倒れる女性。
隊員たちは思いもしない出来事に、冷静さを失う。
クリスがうなだれて逃げ腰で叫ぶ。
「おい、おい、ありえねえよ! 隊長、戻りましょう!」
「馬鹿者! 任務を放棄して逃げられるか!」
「隊長の言う通りだ。クリス。」
冷静なアーロンがクリスに注意する。
「他の生存者を救出するまで戻れない。」
「ベネットさんまで... 正気か!? この先に何があるかわからないんだぜ?」
「落ち着け、クリス。お前がヘマすれば全員が危険に晒される。いいな?」
アーロンにそう言われ、クリスは渋々同行するのだった。
数