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共鳴のソウセイ 〜帰り道に始まった異世界転移、秘脈の力が全てを覆す〜  作者: 篝 タケアキ


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2/5

2.地脈意思と『共鳴』

頭がぼんやりとしてる…ここは…

たしか俺は森で化け物に追いかけ回されて、それで…


「て…すか?……まして…はじめまして創生。」


真っ白な空間で誰かにそう告げられる。誰だ?そう聞こうとしてもうまく声がだせない。


「私が誰か聞きたいのですね。私は地脈そのもの。この世界の観測者のようなものです。」


観測者…?ゲームの管理人みたいなものか?異世界モノによくある最初に説明してくれる人か。出てくるのが遅いじゃないか。


「貴方の想像しているモノとは違うかもしれません。貴方はこの世界の特異点なのです。私も貴方のことを理解しきれていません。私が俗世に干渉することはあまりないのですが貴方には接触しておく必要があると判断しました。」


「今回私が接触した理由は貴方の秘める力…俗世で秘脈と呼ばれる力のことについてお伝えするためです。貴方の秘脈は『共鳴』今はまだ潜めていますがこの力が強くなればあらゆるものと共鳴するあらゆる理を書き換える可能性すらあるものです。貴方のその力は私…地脈意思すらも書き換えることすらできる。貴方の力は古代にこの世界が作られた原点の力でもあります。そのことを私は貴方に伝えたかったのです。そしてできれば友好的な関係を築いておきたかった。今の貴方の秘脈の力では私との共鳴はここが限界ですがこれだけは伝えます。その力の使い方を間違えないで…」


>>>


そこで俺は目が覚めた。起きて見えたのは緑の間から差し込む光でも、自分の家の天井でもなかった。

…まさかこのセリフを自分が言う日が来るとは。


「ーーー知らない天井だ。」


長々と一方的に話される夢を見たせいか、頭が痛い。どうやら俺の異世界での力の話だったみたいだ。目が覚める直前、地脈意思と言っていた彼女…緊張していた…?。何故かそれが俺に伝わってきた。これが彼女の言っていた『共鳴』なのだろうか。

寝かされていたベットから体を起こして先程の夢について考えていたところに廊下からスタスタと足音が聞こえてきた。


「ソウセイ、目が覚めたんですね。」


そう言いながら部屋に入ってきた少女は


「たしか…トリシアさん?」


コクりと頷くと彼女は今の状況を説明してくれた。昨日俺は森でトリシアさん含むミルディア王国兵団に助けられミルディア王国という場所まで運んでもらったそうだ。その後ミルディア王国兵団の宿舎で看病してもらっていたようだ。


「何から何まで申し訳ない。本当に助かりました。あの時トリシアさんたちが来ていなければ今頃…」


今頃死んでいた。


それを思い出してまた空っぽの胃が跳ね、体が震えた。今までの日常で死なんて意識したことがなかったのだから当然だ。


「大丈夫ですよ。一度に多くのことを思い出して混乱しているのですね。昨日あなたが気を失う前になんで自分がここにいるかわからないと言っていましたが、自分の名前以外で他にわかることはありますか?」


…これはどう言うべきだろうか。

おそらく俺は異世界に転移してきた。さっきの夢が本当なら地脈意思?の説明によると俺は特異点…つまり異分子。そして秘脈という謎の力を持っているというのをこの子に話してしまったら危険な存在として排除されてしまうのではないか…?あの俺を襲った化け物のように真っ二つに。


「…わからない。」


そう答えた俺を一度まじまじと見つめてから少し間を空けてトリシアは答えた。


「そうですか。では何か聞きたいことはありますか?」


聞きたいことなら山程ある!!と凄い勢いで俺はトリシアに質問責めを始めた。この世界に魔法はあるのか。ミルディア王国とはなにか?など聞きまくった。トリシアは俺の質問に少し嬉しそうにある程度答えてくれた。

魔力や魔法というものは存在しており低位の魔法であれば誰にでも使えるような魔道書もあるらしい。ザ・ファンタジーで少しワクワクもした。まぁ結局センスや才能がいるみたいだが。あとは魔法のついでに秘脈についても教えてくれた。魔法とは別に固有に一部の人間に与えられた力で、家系で代々継がれているものや突発的に発生するもの、制約があるかわりに強大な力を持つ秘脈もあるようだ。もっと聞きたいことはあったがトリシアはミルディア王国兵団の上位の役職らしく途中で去ってしまった。去る前に彼女は思い出したかのように質問タイムを終わらせ、話を始めた。


「質問の続きはまた今度。ソウセイはこれからどうするつもりなの?」


「どうするといわれても、この世界…この国のお金も持っていないし…ホントにどうしよう。」


「そこで提案なんだけど、貴方ミルディア王国兵団に入らない?」


「え!?」

俺はまさかの展開に驚きを隠せなかった。王国兵団に入るって戦うってことだろ…!?そう戸惑いを隠せていない俺を丸め込むようにトリシアは続けた。


「無理にというわけではないのだけど、ソウセイの年齢の何者かもわからないような人間を雇ってくれる場所は少ないと思う。そして住む場所も貴方は持ち合わせていないのでしょう?その点ミルディア王国兵団は宿舎とご飯がついてる。慣れるまではかなりしんどいし厳しいけど安定はしてると思う。どうかな。」


トリシアの言うことはもっともだった。金もない状態のヒョロヒョロのガキを雇ってくれる場所なんてそうないだろう。外で寝たりするのは慣れていないしトリシアの提案は魅力的だ。だけど…


「なんでそこまでしてくれるんだ?」


トリシアは少しビクッとした後モジモジしながら答えた。


「貴方とであったとき何かビビッときて感じたの。貴方には何か才能がありそうだなって。ただの感なんだけどね…それと兵団には私と同じくらいの子があまりいないの。だからえっとその…」


「友達が欲しいのか?」


トリシアは俺の言葉に少し頬を赤らめながらコクりと頷いた。昨日は色々ありすぎて余裕がなかったから気づかなかったが、トリシアはかなりの美少女だ。そんな美少女と同じ場所で仕事ができて、衣食住があって、友達にもなってくれるのなら…


「わかった。その提案是非受けさせて欲しい。」


こうして俺は王国兵団兵士見習いになった。

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