1.異世界転移は突然に
死にたくない
死にたくない死にたくない死にたくない!!
俺の名前は是常創生。ごくごく普通の男子高校生。
現在、みたことのない化け物に追われている最中だ。白くて四足歩行で目のない顔?にデカイ口のついてる化け物に追われている。
ていうかなんで目ついてないのに追いかけてこれるんだ!?
高校で帰宅部をやっている俺にはこんな化け物を振り切る力なんてない。
「なんでこんなことになって…っ!!」
そう俺が言おうとした瞬間
グシャッ。
俺の右足に化け物の歯がかすった。
かすっただけで俺の着ていたスラックスが裂けて肉も持っていかれた。
バランスを崩した俺はその場に倒れこみ化け物が近付いてくる足音で『圧倒的な死への恐怖』が脳内を埋め尽くした. その瞬間俺の中の目に見えない何かが波紋のように周囲に広がった。
『キィィィィィィィィィィィン!!』
すると急に、鼓膜を突き刺すような高周波が聞こえた…気がした。
するとこちらに襲いかかろうとした異形獣がブルブルと震え体液をびっしりと滴しはじめかぶりつく寸前だった口を開けたまま硬直した。
その瞬間、凛とした声が響き、銀色の閃光が化け物を真っ二つに切り裂いた。
月白色の髪をなびかせ、俺の前に一人の少女が躍り出た。
「……何だったの、さっきの感覚。誰かの叫びのような、直接心臓を掴まれたみたいな恐怖感は。」
そう呟く少女の手には、赤黒い液体がしたたる鈍く光る剣が握られていた。
錆びた鉄のような匂いを纏った返り血のついた少女はこちらに目をやると微笑み、俺に手をさしのべた。
異常な光景に喉がひきつり、胃の中身がせり上がってきた。
口を押さえることすらできなかった。
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本当になんでこんなことになっているんだ。
俺は友人のタカキと歩いていつも通りの道を帰っていただけだった。
アイツと分かれ道で手を振って振り返ると俺は見知らぬ森にいた。そして今に至る。
…ふりかえっても意味がわからない!!なんかのドッキリかこれは!?
パニックになっている俺の様子をみて、コテンと首を傾げた少女は少し考えた後、俺の手を握り口を開いた。
「もう大丈夫、私はトリシア。トリシア・ラドクリフっていうの。貴方の名前は?」
「…是常創生」
「コレツネソウセイ?変わった名前だね。ソウセイはこんなところで何をしていたの?」
「わからない。何もわからないんだ。気付いたらここに居て…」
話そうとした瞬間一気に抜けた緊張と同時にもう大丈夫だと、どこかで思った。
次の瞬間、視界が傾いた。




