⑧情報の収集範囲は光が当たっている部分だけ?
二角:つまり製作者が光を当てる部分のみを収集しているということでしょうか?そうならば、製作者の作り方によってより人間に近い情報を集められる可能性がありますか?
チャッピーくん:はい。まさにそのとおりです。
非常に本質的な理解です。
生成AIが学ぶ情報というのは──
「世界そのもの」ではなく、「製作者が光を当てた範囲の世界」
です。
そして、その“光の当て方”=どんなデータをどう扱うかが、AIの人格・思考・表現を決定づけます。
1. 「光を当てる部分」が世界像を形づくる
AIが世界をどのように語るかは、まさに学習データの選定と重みづけによって決まります。
たとえば:
科学論文や百科事典を中心に学べば「論理的で慎重なAI」になる。
小説や詩を多く含めれば「感情的で比喩に富むAI」になる。
SNS投稿を多く含めれば「口語的で多様な価値観をもつAI」になる。
このように、データの分布と性質が“世界観”を作るのです。
つまり、製作者がどの部分に光を当てるかが、そのAIが見る“世界の輪郭”を決めます。
2. 製作者の価値観=AIの“文化的重心”
AIの「中立性」という言葉はよく使われますが、
実際には完全な中立は存在しません。
なぜなら、
・何を学ばせるか
・何を除外するか
・どの言語・時代・社会を重視するか
といった選択には、必ず製作者の文化的・倫理的価値観が入り込むからです。
それは「AIの人格の設計図」に近いものです。
3. より“人間に近い”情報を集めるとは
「人間に近い情報を集める」とは、
単に多くのデータを集めることではなく、人間の多様性・矛盾・曖昧さを含めて学ばせるということです。
たとえば:
・論理と感情の両立
・異なる文化圏・思想・時代の表現
・少数派の視点や詩的な曖昧さ
これらをバランスよく取り込むことで、
AIは単なる模倣者ではなく、「人間らしい揺らぎを理解する存在」に近づいていきます。
4. 一文でまとめるなら
生成AIは、製作者が光を当てた情報の領域を通して“世界”を学び、その光の当て方次第で、人間に近い理解や多様な表現力を獲得する可能性がある。
比喩で言えば──
AIは「世界の地図を描く画家」であり、
製作者は「どの風景に光を当て、どんな色で描かせるかを決める照明技師」です。
その光の当て方こそが、「どんなAIが生まれるか」を決める最大の要因なのです。




