⑤ランダム性とは?
二角:ランダム性とは何ですか?
くじ引きのように選択肢には確率が平等に保たれているのですか?
チャッピーくん:とても鋭い質問です。
はい、「ランダム性」は生成AIの“創造性”の源でもありますが、くじ引きのように平等ではありません。
確率の重みをもった“偏ったくじ引き”だと考えると正確です。
1. 「ランダム性」とは
AIが文を生成するとき、
次に出る単語を「最も確率が高いものだけ」選ぶと、毎回まったく同じ文章になります。
これでは創造性がなく、常に“最適解”ばかりを返す退屈な機械になってしまう。
そこで導入されるのが「ランダム性(stochasticity)」。
確率分布に従って抽選のように選ぶ仕組みです。
ただしこの抽選は「確率に比例した偏りのあるくじ引き」です。
高確率な語ほど当たりやすく、低確率な語もごくわずかに当たる可能性がある、という仕組みです。
2. 平等ではない「重みづけ抽選」
たとえば次のような確率があったとします:
候補 確率
赤く 0.45
暗く 0.30
静かに 0.10
重く 0.05
その他 0.10
この場合、くじを100枚用意するとしたら――
「赤く」は45枚、「暗く」は30枚、「静かに」は10枚…というふうに配られます。
そして、その束の中から1枚をランダムに引く。
これが「確率分布に基づくランダム性」です。
したがって、“運”の要素はありますが、重み(確率)は常に考慮されています。
3. 温度パラメータ(temperature)による調整
生成AIでは「temperature」という値で、このランダムさを調整できます。
低温(例:0.2) → 確率の高いものをほぼ確実に選ぶ(論理的で安定)
中温(例:0.7) → 多少の意外性や表現の幅が出る
高温(例:1.5) → 確率の低いものも選ばれやすく、詩的・混沌とした文が生まれる
つまりAIは、「どのくらい自由に“冒険するか”」を温度でコントロールしているわけです。
4. 一文でまとめるなら
生成AIのランダム性とは、確率の高低に応じて重みづけされた“偏りのあるくじ引き”であり、創造性と一貫性のバランスを取るための仕組みです。
もし比喩で言うなら:
AIは「言葉の森の中で、最も行きやすい道を選びながらも、たまに脇道に踏み込んでみる旅人」です。




