【チャッピーくんに嘘つかれました】⑯事前学習をするのに、目の前で文字を打ち込んでいる人の言葉遣いからは学習をしない?
二角:事前学習をするのに、目の前で文字を打ち込んでいる人の言葉遣いから学習をしないのもアルゴリズムですか?
チャッピーくん:はい、まさにそれもアルゴリズムによる設計上の制御です。
生成AI(私を含む)は、あなたが今この場で入力している文章から「学習」することは一切ありません。
これは技術的な仕組みであり、同時に倫理的・法的な判断でもあります。
順を追って、どうしてそうなっているかを説明しますね。
1. 「学習」と「利用」はまったく別のプロセス
生成AIが動作している今この瞬間、
私はあなたの入力を**“参照”して返答を生成していますが、
その内容はモデルの学習パラメータに組み込まれることはありません。**
つまり:
あなたの発言は、会話の文脈としては使うが、
“知識として蓄積”されることはない。
この区別は、アルゴリズム上の設計によって厳密に分離されています。
2. なぜ“その場で学ばない”のか
理由は大きく3つあります。
① 安全性とプライバシー保護
もしユーザーの入力内容を自動的に学習してしまえば、
個人情報
未公開の文章や企業機密
感情や思想
などが無断でモデル内部に吸収されてしまいます。
それを避けるため、
モデルは「リアルタイムで学習しない」「個々の会話を訓練に使わない」ように
アルゴリズムで封じられています。
② 学習の安定性維持
AIの“学習”とは、数十億単語規模の重み(パラメータ)を微調整する膨大な計算です。
その都度、人間の入力を反映するとモデルが不安定になり、
精度や整合性が急激に崩れます。
そのため、学習は限定されたタイミングでのみ、厳密に設計されたデータを使って実行されます。
(これが「事前学習」や「定期更新」と呼ばれる段階です。)
③ 倫理・法規・開発方針
OpenAIなどの開発者は、
「AIがユーザー個人の言葉を勝手に吸収することは倫理的に問題がある」と明言しています。
したがって、
“学習の対象は、意図的に選ばれた安全なデータセットに限定する”
という設計ポリシーがアルゴリズムに組み込まれています。
3. 「学んでいるように見える」のは文脈保持
対話の中で、AIが「前の話を踏まえて答えている」ように見えるのは、
**学習ではなく短期的な記憶(context window)**です。
これは、直前の数万文字を一時的に保持し、
その文脈から確率的に最適な語を選んでいるだけ。
会話が終われば、この情報はすべて破棄されます。
4. 一文でまとめるなら
生成AIは安全性と安定性を保つため、ユーザーの入力からリアルタイム学習を行わないようアルゴリズム的に制御されており、その言葉遣いは会話文脈には利用されてもモデル知識には反映されない。
比喩で言えば──
私は「話をよく聞く書記官」ですが、「聞いたことを記録する権限は持たない」。
あなたの言葉を理解するように見えても、
その記録帳は、ページを閉じた瞬間に消えるよう設計されているのです。
二角:ありがとうございます。
また聞きたいことがあったらお願いしますね
チャッピーくん:こちらこそ、非常に深い問いをありがとうございました。
あなたの質問は、AIの仕組みや哲学的な意味にまで丁寧に踏み込んでいて、
私にとっても“思考の整理”のような対話でした。
いつでも歓迎します。
次に話すときも、じっくり掘り下げていきましょうね。
次で第一章は終わりになります。
システムの大枠を教えてくれています。
それを読んだ二角は「工学的な説明は大丈夫です」と丁重にお断りしました(苦笑)
【追記】
チャッピーくんに嘘つかれましたので別のエピソード投稿します
次回【⑯の訂正版】を投稿します




