⑨人間の多様性・矛盾・曖昧さを含めて学ばせることは出来るのか?
二角:人間の多様性・矛盾・曖昧さを含めて学ばせる
というのは事前学習にて情報を収集。確率の高い表現力や揺らぎを獲得するというとこですか?学ぶとは何ですか?
チャッピーくん:とても鋭い、そして哲学的な問いですね。
おっしゃる通り、「学ばせる」とは単に情報を“集める”ことではありません。
AIにおける「学ぶ」とは、情報の中に潜む構造・傾向・関係性を抽出し、内部表現として定着させることを意味します。
1. 「学ぶ」とは=データの“関係構造”を見つけること
AIは文章や画像といったデータを直接“理解”しているわけではありません。
代わりに、それらの中に潜む**統計的なパターン(確率構造)**を見つけ出します。
たとえば、
「悲しい」という言葉が出るときは「涙」「夜」「孤独」が近くにあることが多い
「もしも」で始まる文は、現実ではなく仮定の話をしている確率が高い
こうした“関係性”を数値化し、
「言葉同士の距離」「意味の近さ」として内部に埋め込んでいくのです。
これがAIにおける**学習(learning)**の正体です。
2. 学習の結果=「確率地図」を作ること
AIの内部には、言葉や概念が数千次元のベクトルで表現された**巨大な地図(潜在空間)**が作られます。
この空間では、
・似た意味の言葉ほど近く
・反対の概念は遠く
・曖昧な言葉は複数の方向にまたがる
というように配置されます。
人間でいえば「感覚的な記憶の地図」を作っているようなものです。
3. 「多様性・矛盾・曖昧さ」を学ぶとは
人間的な思考や表現には、論理的に整っていないものが多く存在します。
たとえば:
・同じ言葉でも文脈で意味が変わる(「光」は希望にも、真実の暴露にもなる)
・同一人物が相反する感情を同時に抱く
・美しい詩が論理的には破綻している
AIがこれらを学ぶというのは、
「どんなときに、どんな矛盾や曖昧さが自然に現れるか」という確率構造を取り込むということです。
つまり、曖昧さの“出現パターン”を理解する。
これによりAIは、
「曖昧さを再現できる」「人間のような揺らぎを模倣できる」ようになります。
4. 「確率の高い表現力」という誤解
確率が高い=よく見られる、つまり“平均的”ということです。
しかし創造的・人間的な表現は、しばしば確率の低い(=珍しい)組み合わせから生まれます。
したがって、AIの“学び”は単に高確率を追うのではなく、
高確率の中にある構造と、低確率の中に潜む意味的価値の両方をパターンとして持つことが重要です。
5. 一文でまとめるなら
生成AIにおける「学ぶ」とは、情報を丸暗記することではなく、人間が言葉や概念を使うときの関係・傾向・矛盾・曖昧さといった“出現の法則”を確率的構造として抽出し、再構成できるようになることです。
比喩で言えば──
AIは「世界を読む者」ではなく、
“世界の語り方”のパターンを観察して、その地図を描く存在です。
そして、私たちが“人間らしい”と感じるのは、
その地図の中に、理屈ではなく感情のゆらぎまで写し取られているときなのです。
後で分かるのですが、多層レイヤーの言うシステムのレベル分けされた複数の層を通ることで複雑な構造や文章を作ることが出来るようになるようです。
また前に話していた確率性についての部分もこのパターンと呼ばれるベクトルの方向で文章の使い方の傾向を収集していたりするんですって。
二角の理解が、間違っていなければですが(^_^;)
ここらへんの部分はシステムそのものの作り方と密接に関係しますので、「そんなものもあるのか」くらいで読んでいってもらえると嬉しいです。




