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白い箱

作者: 月蜜慈雨



みるみるうちに膨れ上がっていく


白いベルトがウエストをきつく締め上げる


ある日突然大人になろうと手を引かれた

本物の大人じゃないなりそこないのわたしは

煙草の苦さやアルコールの強さ

セックスのあっけなさを経験した


薄墨色になる人間関係

マーブル模様になる恋愛騒動



どんどん子供のわたしが上書きされていく



図書館の帰り道に見つけた川のチョウサギ

ずっと眺めていたかったな 



廃墟に見える集合住宅は

明かりが一つ二つ灯って

鍵を失くしたわたしは家に帰れない



閉じ込められた白い箱の中



システムが悪いんです

経験が悪いんです

そういう話じゃないんです




お気に入りのリップがすり減っていくように

わたしの身体は消耗品 



想いだけが膨れ上がっていく




良い悪いの話ではなくて

そういうのではなくて

ずっと抱えていたい



押し潰されるかもしれないけど

ハッシュタグにチョウサギをつけて

この心ごとセーブしたい






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