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第19話 開演!炎上姫と女神のシンフォニア、真実の光を解き放て!

 SNSリテラシー向上キャンペーン当日!

 会場となった王立学術院の大講堂は、招待された学生や若い貴族たち、そして王宮関係者や報道陣で超満員!熱気でむせ返りそうよ!

 あたしとソフィア様は、手作りの衣装(あたしはちょっぴりパンクな炎モチーフ、ソフィア様は神々しい純白の羽飾り付き!)に身を包み、舞台袖で心臓バクバクさせながら出番を待っていた。


「ソフィア様……わたくし、なんだか武者震いがしてきましたわ!」

「エマリア様こそ、いつものように暴走なさらないでくださいましよ?今日は、わたくしたちのメッセージを、しっかりと届けなくてはなりませんから」

 ソフィア様は冷静だけど、その握りしめた拳は、かすかに震えている。あなたも緊張してるのね!


 舞台裏では、ミロが最新型マギフォンと数台の怪しげな魔道具を接続し、まるでオーケストラの指揮者みたいに指を躍らせている。「よし、いつでも行けるぜ、マリィ様!あのクソサーバー、丸裸にしてやる!」

 リヒト様は、会場全体の警備と情報統制を指揮しつつ、時折あたしたちに「健闘を祈る」とだけ書かれた簡潔なメッセージを送ってくる。……ツンデレなんだから!


 そして、ついに幕が上がる!

 演劇『SNS安全神話~炎上と再生のシンフォニア~』開演!


 物語は、あたし演じる主人公「エマ炎上姫」が、軽い気持ちのSNS投稿で大炎上し、悪意あるデマ情報に心を打ち砕かれるところから始まる。

「うわーん!みんな私のこと誤解してるー!もうSNSなんてやめてやるー!」

 あたしの迫真の(?)号泣演技に、会場からはクスクス笑いが漏れる。いいのよ、今は笑ってなさい!


 そこへ、ソフィア様演じる「SNSの女神ソフィーリア」が、キラキラした魔法エフェクト(マルコくんが徹夜でプログラミングしたのよ!)と共に降臨!

「お待ちなさい、エマ炎上姫。闇雲に情報を鵜呑みにしてはいけません。真実を見抜く知恵と、困難に立ち向かう勇気を持つのです!」

 女神ソフィーリアの凛とした声と、神々しいまでの美しさに、会場はうっとり。


 劇は進み、エマ炎上姫が女神ソフィーリアの導きと、仲間の助け(クララさん作の可愛い動物キャラクターたちが、正しい情報を見つけるヒントをくれるの!)を得て、デマ情報に立ち向かっていく。

 あたしのコミカルなアドリブと、ソフィア様の完璧な演技が、意外な化学反応を起こして、会場は笑いと感動に包まれていく。レオナルドさんの美声ナレーションも、物語を劇的に盛り上げる!


 一方、舞台裏では、ミロが決死のハッキング作戦を展開していた!

『マリィ様、敵のサーバー、セキュリティが鬼のように固ぇ!だが、このミロ様の指が折れるのが先か、奴らの鉄壁が崩れるのが先か、勝負だぜ!』

 イヤホンから聞こえるミロの緊迫した声。あたしは、劇のセリフを言いながらも、心の中でミロにエールを送る。


 そして、物語はクライマックスへ!

 エマ炎上姫が、デマを流した黒幕(もちろん架空の悪役よ!)と対峙するシーン。

「あなたの嘘で、どれだけ多くの人が傷ついたと思っているの!?」

 黒幕が卑劣な言い訳を重ね、エマ炎上姫が絶体絶命のピンチに陥った、その時!


『やった……やったぞ、マリィ様ァァァ!!!』

 ミロの歓喜の叫びが、あたしのイヤホンに飛び込んできた!

『デマ作成の指示書!国外の闇ギルドとの金の流れを示す契約書!アルバート公爵の残党どもが 주고받은秘密の通信ログ!全部まとめて、ぶっこ抜いたぜええええ!!!』


 あたしは、女神ソフィーリアと顔を見合わせ、強く頷いた。

 エマ炎上姫が、高らかに叫ぶ。

「そうよ、私は一人じゃない!嘘はいつか暴かれる!この手で、真実を掴んでみせるんだから!」


 劇は、エマ炎上姫が仲間たちと共に悪を打ち破り、SNSの世界に再び平和が訪れるという、感動のフィナーレを迎えた。会場からは、割れんばかりの拍手が鳴り響く!


 そして、カーテンコール。

 あたしとソフィア様は、晴れやかな笑顔で再びステージ中央へ。

 深呼吸一つ。あたしはマイクを握りしめた。

「皆様、本日の演劇、お楽しみいただけましたでしょうか?実は……この劇でお見せしたデマ情報の恐怖と、それに立ち向かう勇気の物語は、今まさに、この現実世界で私たち自身が直面している戦いでもあるのです!」


 会場が、息をのむ。

 ソフィア様も、力強く続ける。

「しかし、どれほど巧妙に隠された嘘も、真実の光の前では、いずれその姿を現すことになりますわ!今、その決定的な証拠が、私たちの手の中にあります!」


 あたしが合図すると、ミロが、入手したばかりの衝撃的なデータを、会場の巨大スクリーンと、ライブ配信を通じて全世界のSNSに向けて、一斉に映し出した!

 デマ作成を指示する生々しいメールの文面!アルバート公爵の残党と、国外の闇ギルドとの間で交わされた、多額の金銭が動いたことを示す契約書の断片!そして、彼らがやり取りしていた、あたしたちを貶めるための卑劣な計画の全貌!


「これが、私たちを、そしてSNSの自由を脅かそうとした者たちの、許されざる悪事の証拠です!」

 あたしの声が、震える。

「どうか皆さん、安易な情報に流されず、ご自身の目で、ご自身の心で、何が真実かを見極めてください!そして、SNSを、誰かを傷つけるためではなく、誰かと繋がり、誰かを励まし、新しいものを生み出すための、素晴らしい場所にしていきましょう!」


 決定的証拠の公開に、SNS上のデマ情報は、まるで朝日を浴びた霧のように急速に消え去っていった。代わりに、「#真実は勝つ」「#エマリアとソフィアに続け」「#SNSの未来は明るい」といったハッシュタグがトレンドを埋め尽くす!


 その時、舞台袖からリヒト様が静かに現れ、マイクを取った。

「アルバート公爵の残党、及び関連すると見られる国外組織に対する強制捜査を、情報局として、たった今、正式に開始した。諸君の勇気と、ここに示された確たる証拠に、心から感謝する」


 会場は、再び万雷の拍手と、歓喜の渦に包まれた!

 あたしとソフィア様は、感極まって、思わず涙を浮かべながら、強く、強く手を取り合った。

 王太子殿下もステージに駆け上がり、あたしたちの勇気を称え、「SNSリテラシーの重要性を、これほどまでに力強く、そして感動的に示してくれた君たちに、王室としても最大限の敬意を表する!」と、高らかに宣言してくださった。


 SNSリテラシー向上キャンペーンは、ただの啓発活動じゃない。

 これは、あたしたちが掴み取った、SNSの未来への、大きな大きな一歩なんだ!


 デマ情報戦は、あたしたちの勝利で幕を閉じた。

 でも、国外の闇ギルドとの戦いは、まだ始まったばかりなのかもしれない……。

 公式SNSアドバイザー(見習い)としてのあたしの道も、そして、ちょっぴり気になる恋の行方も、まだまだ予測不能!


 感動のフィナーレの熱気に包まれながら、あたしは、仲間たちとの絆を胸に、新たな物語の始まりを予感していたのだった!

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