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死刑投票  作者: ロック
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第4章

桜井みんとのその美しい姿にトオルは、興奮していた。

冷静さを保つ、小森は「今は我々が入ってる。我々が上がってから、入りなさい」と言った。

みんとは「女と男は別々の時間に入らないといけないなんてルールないじゃない。

あくまで、タイムラインに書くルールって男の裸を見たくない女性を守るためにあるようなもんじゃない。」

「まぁ、まぁ、小森さん。桜井さんも、ここは取り敢えず」と2人を宥めるトオル。

「で、さっきの話なんですけど小森さん桜井さん」

「あたしのことみんとって呼んで」

「では、みんと、小森さん。

このゲームの目的はなんなのかという考察なのだが、インキャ・・・つまり社会的弱者が社会的強者を合法的に葬り去れるようになったらどのような行動を起こすのだろうか。

社会的弱者は強者により淘汰されてきたが、立場が逆転し、淘汰する側になったとしたら・・・。

まず、これを仮定1。

次に、社会的強者が全滅し、社会的弱者が生き残れば、どのような基準で死刑投票をするのか。

これが、仮定2。

そして、この実験が実は誰かに撮影されてて俺たちを見世物として、第三者によって記録されている可能性・・・これが仮定3だ。」

少しの沈黙の時間が流れ、小森は「そろそろ水風呂にでも入ろうか」と小森が2人を水風呂に誘った。


その頃タイムラインでこんなことが話題にあがった。

「ここは、まるで天国だ。

ここに一生生き続けるのもアリじゃないか?」

「誰も死刑投票しなければ、永遠にここにい続けられるよな。

飯も美味いし、娯楽は充実してるし、殺される恐怖を除けばここは天国じゃないか?」

「俺は元々ホームレスだったから飯にありつけるだけでありがたい。

死んでも死にきれないほどこのゲームには感謝している」

「弱者救済の措置としては、妥当だな」


「でもさ、誰も死ななかったらこのゲーム進行しなくね?」


その頃、死刑投票の運営側にて

「ルールチェンジが必要に感じます」

「では、一部の参加者に特殊ルールを課すか」


3人が整った後温泉エリアから上がり、コーヒー牛乳を飲む。

「さて、タイムラインを確認するか」

タイムラインには、運営側から追加された特殊ルールの記載があった。

"これから24時間以内に5人の死刑囚を見つけること。さもなくば、運営側が抽選で選んだものを死刑にする。"


3人は頭を抱えた。

恐らく、人を殺すことに罪悪感を感じるのであろう、直接殺人を行なっていなくても、多少なりとも良心があるものは人を殺せないものだ。

「どうするよ」

「どうしようね」


トオルが投票ページを確認すると、無差別投票が行われており、10票近くの票がトオルに集まっていた。

「まて、なんで俺に投票が・・・」

トオルは、投票画面から20%超えの人を投票した。

「小森さん、みんと、お願いだ、

この3人に投票してくれ・・・じゃないと俺死んじゃう・・・」

小森とみんとは、「わ、わかった。」と言い、トオルと同じ投票先に投票すると、25%超えた。


残り91人


その頃別の参加者である小泉と麻生と真島と川口は、4人でスマッシュブラザーズDXをやりながら、会話をしていた。

「次誰投票する?」

「もうこの中に、殺したいなんていねえよ」

「ゲームか・・・」

川口がそういうと、小泉と麻生と真島は黙った。


「技術介入がない完全抽選型が良い」と小泉が言うと

「ビンゴゲームなんてどうだ」と真島が言った。

「悪くないな真島。だが、技術介入があるとどうしてダメなんだ?」と麻生が言うと、小泉は、答えた。

「仮に今回のゲームがスマブラなら俺たちが勝てるだろう。

だが仮に奴らが、鬼ごっこやサッカー大会を選択したらどうだ。

完全にランダムな勝負、悪くないと思うが」と小泉が言い終えた後に麻生は言った。

「そういえば俺たち、いや参加者全体に言えることだけど、俺たちって似た者同士で行動してるよないつも。

トオルとか言うよくわかんねえあいつは、料理が好きだから元シェフの小森と行動してるし、ギャンブル好きという共通点からカケルともよく行動していた。

まずはさ、一旦3人の死刑囚が決まったわけだし、一旦、残った91人でグループ通話でもしないか。」小泉が言い終えると、納得した3人は、大きく頷いた。


「取り敢えず俺がホストとして、グループ通話を開始する。

お前ら3人は、タイムラインで参加を持ちかけろ。

不参加者は投票の対象になることも伝えてくれ」


その頃、3人は居酒エリアと呼ばれる居酒屋のような場所で、飲んでいると、グループ通話の誘いが来た。

居酒屋では堺正章のさらば恋人がバックミュージックで流れていた。

焼き鳥を食べ終えたトオルは、小森とみんとに「参加しましょう」とグループ通話の参加を持ちかけた。


グループ通話の主催者ある小泉は、参加者が50人超えた時点で話し始めた。

「マイクをオンにしてください。

参加者が50人を超えたのでグループ通話を始めます。

もし、不参加者で寝ている人などがいたら、起こしに行ってあげてください。

1時間経ってもグループ通話に来ない人は、投票します。

・・・取り敢えず会話をしましょうみなさん。

では、私から話します。

僕は小泉。このゲームに参加する前は、工場のバイトで生計を立ててました。

年齢は41、かなり遅い結婚願望が私にやってきたわけですよ。

10億円当てて、金持ちになって、良い嫁さんを見つける。これが俺がこのゲームに参加した動機です。

私は皆さんのことを知りたいから、皆さんのことを教えてください」


様々な人が、現在の状況と参加の動機を答えた。

10人ほど小泉と似たようなパーソナリティの20〜40代の男たち。

11人目で空気が変わった。

「あたし、小向りん・・・17歳。

あたし、両親から虐待されて、施設に飛ばされても虐待されたから施設から脱したの。

でも、帰る家もないから手元の3000円で遠く新宿まで行ったの、そしたら優しいおじさんが声をかけてくれて・・・それで・・・」カワボと呼ばれるのうじょを彷彿とさせるその声に男達は、盛り上がった。

「萌え〜〜〜!!!」と参加者10人の男が良い声を出した。

そして次々に女性との縁がなかってであろう男達が、一斉にマイクを女して、絶対おじさん達が君のこと守るからね」.

「デュフデュフてか、君何号室?

おじさんとあとでラウンジ行かない?」

「俺とゲームしよ、やり方とか教えるから」


みんとは、マイクをオフにして

「おっさんキモすぎ」と言った。

そして、トオルが「他の方にも発言権をください」と言った。続いて小泉が

「わかりました参加者も70人と増えましたね。まだ、20人ほど足りないようですが・・・」と言い、グループ通話の参加者リストをトオルが確認すると、もえの名前がなかった。トオルは、マイクをオフにして

「小森さん、みんと、俺の友達がまだ参加してねえ、友達に参加を呼びかけてくる。」と言い、トオルは、軽く自己紹介をし終えたあと、マイクをオフにして、もえの部屋まで行った。


もえの自室に行ったら、泣きながら包丁とリストカットしてるもえの姿があった。

「おいやめろ」トオルはもえの包丁を奪った。

「言ってなかったねごめんね、

カケルくん、実はあたし彼のこと知ってたの。・・・カケルと出会う前にあたしデリ嬢やってたの」

「も、もしかして君が!?」

「私はカケルのことが好きだった。本当に愛していた。

だけどもう、カケルくんに迷惑かけたくなくて、それでゲームに参加したの。

まさか、カケルくんが選ばれちゃうなんて。

もういこうと思うの。さよなら、出て行って」

「・・・死なないでほしいな・・・参加待ってるよ」


トオルが部屋をあとにし、ドアを閉めると、ドスっと包丁が何かに刺さった音が聞こえた。


トオルは涙を流しながら、居酒屋スペースに戻った。

小森が「それでどうだった?」と尋ねると

トオルは「ダメだった・・・」と涙を流しながら伝えた。


運営側がタイムラインに死亡者情報を流した。

「参加者の須藤もえさんが自室内で急逝いたしました。

残りは90人です。

頑張りましょう」


そしてグループ通話では、参加者は80人となり、小泉は言った。

「そろそろ、あと2人決めましょう。今参加してない人で。」

すると、とある20代の若そうな男が突然マイクをオンにして、声を大にして言った。

「待ってくれ、何回も起こしたけど、あやかは、まだ起きてない!頼む!あやだけは殺さないでくれ」

すると、小泉は「もしかしてお前とそのあやって名前の女は付き合ってるな」と言った。

「いや、違う。まって、まって、違うんだ」

票がその男とあやという不参加者のあやに集中した。

「待ってくれ俺はあやと、夢が、夢が、ギャアアアアアアアア」と男の叫びと共に男はグループ通話から脱退した。


残りは88人


小泉は「それでは、死刑投票ご苦労様です。

今日はゆっくりと休んでください。

明日もご参加お待ちしてます」というと、グループ通話は終わった。

泣き崩れるみんと、小森はトオルにチャットで「みんとのそばにいてやれ」と伝えた。


トオルは、15歳の頃に読んだ小説のタイトル を思い出した。

その名前も"リア充制裁計画"という、インターネット上の小説である。


トオルは、泣き終わらないみんとを、みんとの部屋まで送ると、みんとはトオルに「そばにいて」と言った。

桜井みんとのそのハーフのような顔立ちにドキッとしたトオルは、みんとの部屋に入った。

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