プロローグ
角谷トオルは、高校卒業後働きもせず、親の金で賭博ばかりしている。
パチンコ、パチスロ、公営競技などに多くの時間を割いていた。
そして、彼を賭博を続けて1年で、ありとあらゆる方法で勝ち続けた結果、1000万という大金を手にしていた。
最初は打ち子として、雇われでやってたもののそこでパチンコのノウハウを磨き、2ヶ月の打ち子としての修行を経て、独立し、ギャンブルのプロフェッショナルとなっていた。
そんな彼がいつものパチンコ店に行くと、「あなたプロですよね」と店員に声をかけられた。
「俺はプロじゃない、遊びで打ってるだけですよ」と、トオルが、指を震わせながら話す。少し過呼吸気味だ。
頭を抱えた店員は「プロじゃないですか・・・申し訳ございません。でもあなた臭いんですよ」
「くっ、くっせぇ!!?」
「あなた、他の客にクレーム来てますよ」
「う、、、うそだろ。
く、臭いから出禁!?そんなアアアアアア」
すると、パチンコ店の自動ドアに1人の男が入った。
その男の体格は良く、白髪が目立つが、顔には少しばかり若々しさが見えた。
「会長!!!」
店員は頭を下げた。
「フフフ、君は良い瞳をしてるな。」と会長と呼ばれた男はトオルに声をかけた。
会長はトオルを関係者以外立ち入り禁止ゾーンに、トオルを導いた。
壁にはモニターがかかっており、それぞれの台の情報が可視化されていた。
そして、会長はリモコンらしきものを操作すると、床が自動的に動き、床下にある階段が見えた。
「きたまえ」
階段を降りると、そこはまるでラウンジのような場所でスナック菓子や0〜3号機のパチスロがあった。
「君に素晴らしいギャンブルを紹介したい」
と会長は、言った。
「裏スロですか?裏パチですか?
それとも裏カジノですか?」
「裏・・・そんなものではない。100%合法なギャンブルであり、そして一つの社会実験でもある。」
「金銭以外を賭けるとかですか?臓器とかですか?」
「臓器じゃない、命だ。
生存率は3%、賞金は10億。」
「映画とかでよくあるやつですか?
・・・、僕は・・・」
すると、会長は、いっぱいのソフトドリンクを僕に手渡した。
「コーラだ、まぁ、ゆっくり考えて欲しい」
「僕は飲みませんよ・・・睡眠剤でも盛られてるんでしょ?
取り敢えずそのギャンブルの説明をしてください。
場合によっては、・・・やるかもしれません」
「死刑投票」
会長は、そのギャンブルの名を伝えた。
「随分物騒な名前ですね」とトオル。
「ルールは単純だ。1ヶ月の中で、死刑に値いする人物に投票していき、最終的に生き残ったものが10億円受け取れる。
単純なルールだが・・・君は心理戦とか興味ない?」
少し、時間をおいてからトオルは、言った。
「俺は、心理学の勉強に関しては個人的にしてきてね」
「なら話が早い、乾杯しよう」
会長がラウンジ内のワインボトルから、グラスにワインを注ぐ。
「乾杯」