日常
恋愛ものではなく、サスペンスみたいになってきました…
今さらながら、R指定かもです
具体的描写はありませんが、良い子は見ないでください
相手の女が、果てるところを見て、あー、イったな、と思った
全然起きない拓也の頭を、携帯で殴ってやろうかという衝動にはかられたが、陽子はそっとその場を離れた
冷静だった
せめて疑う余地が残されていたら、感情的にもなれたのかもしれない
何の弁解もない
見たままだ
現場に鉢合わせしたようなものだ
それより、ひどいかもしれない
お風呂上がりの濡れた髪を、ドライヤーで乾かした
ドライヤーの音で、陽子の泣き声はかき消された
歯磨きをして、寝た
心が沈んでいる時、日常生活は残酷だ
朝が来たら、朝食を準備して家族を送りだす
洗濯ものを干して、夕食の食材を買い物に行く
どんなに心が死んでいても、特売のお肉を探す
洗剤がきれたら、詰め替える
子どもの連絡帳を書く
ふと、手をとめた時に思い出して、心が痛くて涙が出る
お昼の情報番組を見ながら、泣く
便利な百均グッズを見ながら、悲しくて仕方ない
頭は冷静なのに、苦しくなるくらい胸が痛い
見たくないものは、見たくない
例えるなら、自分が両親の子どもなのは当たり前だが、両親が自分をつくるところは見たくない
間違いなく、つくられたのだけど、想像もしたくない、そんな感じだ