八十七話 協力し合うことの喜び
サバイバル二日目突入!
サバイバル訓練、二日目、今日からは三人一組でのサバイバルだ。
班はティナ、ルー、ベルでマーシュ、エレン、ベルである。
ちなみに適当に決めた。
そして今回の目標は協力し合う喜びをしることだ。
野宿、サバイバルはソロよりパーティーを組んでやった方が効率がいい。
やることを分担すれば明日のためにすぐに休める。
しかも見張りは交代制、これが最大の利点である。
というわけで見回りをすると生徒達に伝えて俺はファゼル先生とサバイバルをしています。
昨日の件はティナには黙ってもらった。
「どうでしたか?ウチの生徒達は」
「個性豊かですね。全員、まったく違うことをやってます」
「それはそれは。今日は木の上に張らないんですね」
「あれはソロのやり方ですよ。パーティーを組む場合は下の方がいいです。重量オーバーして落ちますから」
さてとテントは張り終えました。
ついでにこれをああして…。
「何をしているのですか?」
「外からは見えぬように隠密系の結界を張りました。それと鳴子です」
「鳴子?」
「母国の古典的なセンサーです。紐に木製の鳴り物を取り付けているんです」
転生前はかなり役立っていた。
転生前、鳴子は各村や町の周りを覆うように配置されていた。
今でも森の中に少しだけ配置されている。
「俺は生徒達を見てきますのでファゼル先生は食料調達をお願いします」
「わかりました。お気つけて」
「そちらこそ」
…魔物と遭遇しないように隠密系の魔法を使うか。
ティナの方は後回しだ。
先にマーシュ達の班に行くとするか。
マーシュがいるから大丈夫だと思うが。
「ここがいいと思う」
「アホか!もっと安全地帯でやるべきだ!」
「少し魔物の生息地と近い方が食料調達は簡単にできます!」
「食料調達より安全を優先すべきだ!こんなとこでやってたら死ぬぞ!」
やってるやってる。
意見交換もしてるし順調だな。
しっかしマーシュはさっきから喋ってないな。
マーシュなら即、ベルの案に賛成すると思ったが。
「マーシュはどう思う?」
「僕は…」
「安全地帯の方がいいよな!」
「…えっと」
「はっきり言って!」
「はっきり言え!」
なるほど自分の意志をはっきりと言えないタイプか…。
これは自分の弱点を克服するチャンスだ!
頑張れマーシュ!
「…ベルの意見に賛成です!エレンの意見もいいですか食料がなくなると飢え死にするおそれがあります!」
よし、はっきりと言えたな。
自分の意志をはっきりと言うことはこれからも必要になる。
「たった二日だぞ!飢え死になんて」
「例えの話です。先生はサバイバルと言いました!これは遭難を想定したサバイバルです!ギルドの報告では年間、百人以上の行方不明者が出ています!そのことを踏まえて先生はサバイバルと言ったんです!これは野宿の練習ではありません!」
その通りだマーシュ!
冒険家は常に危険な場所に行く。
そこは未開の地であるかもしれないし確実に土地勘がないところだ。
当然、行方不明になる確率は上がる。
野宿なんてサバイバルとは違い冒険家をやっていたら勝手に身に付いていくんだよ。
「…わかったよ。ここにテントを張ろう。マーシュ、ベルと食料調達をしに行ってくれ俺はテントを張っている」
「怒ってないの?」
「いい点を教えられたんだ。喜びはするが怒りはしねぇよ」
「じゃあ、張り切って生き抜こ~!」
この班はうまくやっていきそうだな。
さて、次は問題だらけのティナがいる班に行くか。
次回はティナ側を見ます!
相変わらずバカやってます(-ω-;)
それではまた次の話で!