八十五話 夜真砥のサバイバル
夜真砥のサバイバルスタートです!
生徒達と別れた俺はサバイバルする場所を探すため森を散策していた。
まあ、サバイバルはしないけどな。
「いるかドッペルゲンガー」
「ここに」
この全身黒い人型の魔物、ドッペルゲンガーに俺の真似をさせる。
こいつは擬態能力を持っているため俺に化けることができるのだ。
でも、戦闘面ではまったく役に立たないどちらかというと陽動用、錯乱用だな。
「ならいい」
さて、魔物の巣がないところは…。
俺は周りの木々などに何かの痕跡がないか確認しながらテントを張るところを探している。
理由はここが魔物の縄張りかどうか知るため。
もしこんな所にテントを張ったら寝てる時に襲われて死ぬ。
これは常識であり確実に身に付けないといけない。
例えば竜の討伐依頼の場合、竜からいったん距離を取る時に役に立つ。
他にも生態調査、安全ルート確保など様々な点で役に立つ。
「よしこの辺だ」
そして念のためにテントは木の上に立てる。
魔法で足場などを作れば立てれるし運が悪いと崖にテントを張るはめになる。
木の上に張る理由はここいらに魔物が縄張りを主張する痕跡が四つほどあったからだ。
これが意味する理由はここもいつ魔物の縄張り争いに巻き込まれるかわからないこと。
つまり、寝てる間に魔物の縄張り争いに巻き込めれないためだ。
そして俺はテントを張って食料調達した後にドッペルゲンガーと代わる算段でいる。
こいつは常に俺の近くにいるため俺がやることはたいてい理解している。
ティナよりな!
「近くに川があるな」
川にテントを張るのは絶対にダメだ。
魔物が水飲み場として利用している可能性、洪水に巻き込まれる可能性があるからだ。
しかし、川は食料調達にはもってこいの地形だ。
なんせ水を飲みに来る魔物を倒して肉を取り川辺の近くに生えた薬草や野菜を採れば鮮やかな食卓ができる。
もちろん、魚も釣る。
川辺に到着した俺は水を飲みに来ている魔物を発見した。
猪が変異した魔物、フォレストボアー、森の風景に擬態する猪だ。
俺は背後に近づき仕留めて近くに生えてた山菜を採り魔法で泳いでいた魚を浮かして捕獲する。
食料調達はこれで終わり。
食料調達を終えた夜真砥は待機させていたドッペルゲンガーと入れ代わった。
「後のことはドッペルゲンガーに任せたし生徒達の方を見に行くか。一番心配なのはティナなんだけどなぁ」
ホンマ、あいつちゃんとやってるかな?
その頃、捜索組は、
「何で震えてるの?」
月夜は下水道に入るという恐怖で震えていた。
「下水道ってけっこうヤバいのよ!地下に広がる広大な空間!いつ出るかわからないデカいネズミ!足元を流れる汚物!運が悪かったら汚らしい魔物もいる!しかも!たまに迷路みたいな造りになっているところもあるのよ!」
「ふーん、少し楽しみ」
「少し楽しみ!?あなた頭、おかしいでしょ!」
「もっと!もっとその言葉、ちょうだい!」
月夜はこう思った『元から朧はおかしかった』と。
「まあ、悩んでいてもしょうがないから行きましょう!」
「結界張っとこ」
朧はまるで遠足に行くような気分、月夜はこの世から夜真砥がいなくなるような気分を味わいながら下水道の中に入っていった。
というわけで月夜は渋々、下水道に入りました( ・ω・)
それではまた次の話で!