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勇者の弟子は魔王の娘?~魔王になれなかったので勇者の弟子になります!~  作者: 寅野宇宙
第五章 始まる新たな旅、崩れゆく世界の歯車
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八十二話 有名人になると恥も有名になる

とある登場人物の恥をさらします!

 第三体育館での猛特訓を始めて五日経過した。

 ちなみにティナは誰とやっても全敗だった。

 まだ覚醒していないので勝てないことはわかっていてが一回ぐらいは勝てや。

 まあ、休みなので宿として泊まっている教員寮で武器の手入れをしようと思ってたが部屋に生徒を代表してエレンがやってきてなぜか教室で特別授業をすることになった。

 特別授業といっても俺の武勇伝的なことを聞きたいらしい。

 月夜と朧は相変わらずジュダの仲間を捜索している。

 進展はしておらず見事に座礁している。

 俺としてはいてほしくないので潜伏しているのは嘘であってほしい。

 

「で、貴重な休みに何の用だ?」


「夜真砥さんは勇者の称号を持っているんですよね」


「そうだな」


「それで質問です。有名になって何か変わりましたか?」


 有名になって何か変わったか。

 一番に答えるのはこれだな。


「実績を称えられ試験なしで序列一位になれた。まあ、それぐらいだな。別に有名になったからって何か変わるものじゃない。運が悪けりゃ何かを失う」


「例えば何ですか?序列一位ってすげぇんだろ?」


 そう聞いてきたのはリザードマンのマーシュだ。


「例えば鉱山を発見して貧乏生活から脱出、そしてお金持ちになった。ここで得たものと失ったものは何だ?マーシュ」


「得るものしかねぇだろ。金を得ることができて何を失うんだよ」


「友達や貧乏時代に築いた人脈だ。要は偉くなって威張り散らし昔の信頼関係を失いやがてそいつの名声や能力、金を目当てとした偽りの信頼関係が近づいてくるってことだ。つまり、有名になっても普通でいろ」


 調子に乗った奴の末路はかなり知っている。

 例えば王族や貴族の子供、力を得た弱者などだ。

 たいていは悪い方に進んでいき崩壊する。

 修業時代に一番、リリムから忠告されていたことだ。 


「はい!」


「ベル」


「これから気をつけることは何ですか?」


 これから気をつけること…いろいろあるが一番はこれだな。


「お前らはこれから世間に名前を売っていく。その時、もしお前らが新たな魔法や技を作ってたら名前に注意しろ」


「どういうことですか?」


「恥ずかしい名前はつけるなってこと。例えばこの魔法、リリ」


 夜真砥が例えの魔法の名前を言おうとした時、窓ガラスを割りリリムさんが突進してきて夜真砥を廊下にぶっ飛ばした。

 何やってのこの人!?


「リリム先生!?」


「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…夜真砥!それ以上、口を開いたらお主を殺す!」


「何だよ。まだトラウマになってんのかよ。別にいいだろ」 


「良くない!それは封印しなければいけないのだ!」


 リリムさんが慌てるほどの魔法ってどんなのだろ?


「あれは黒歴史じゃ~!」


 うん、確かに黒歴史だ。

 

「何か気になるんだけど」


「途中まで言われたらな」


「絶対に教えるなよ!」


「教えない教えない。リリムスーパーマジックのことは」


 リリムスーパーマジック?


 夜真砥がその名前を言うとリリムの顔がどんどん赤く染まっていった

 それもそうだ何せこの魔法には本人の名前、そしてネーミングセンスの欠片すらないからだ。

 リリムスーパーマジック、リリムがギルドに入る前に魔導書に記した大魔法にしてこれの名付け親、リリム最大の黒歴史である。

 爆発と同時に敵の攻撃、防御低下を行う。


「…さすがにそのネーミングセンスはねぇな」


 そして二百歳超えのリリムは泣き出す。


「だってその時は魔法が始めて使えたことに喜んでいてその勢いで名付けたんだもん!」


 そうリリムの恐ろしいところは始めて作った魔法がこのリリムスーパーマジックということだ。

 当時は天童と呼ばれていたらしい。


「ああ、先生泣かした」


「俺が悪いのかよ!」


「夜真砥先生が悪い!リリム先生、カワイいからいいじゃないですか」


「でも、俺が序列一位になった時に名前を変更してやっただろ!」


 恩返しというか師の黒歴史を消すという意味で序列一位の特権を使って名前を変更した。


「現在は何という名前なんですか?」


「爆発でステータスが下がるという意味でバーストダウンという名前になってる」


「…あの時、変な名前、つけないで良かった~」


 ああ、龍王の業火(りゅうおうのごうか)のことか。

 俺との合技だから俺の黒歴史になるかもしれないからマジでその名前で良かったと思う。


「この様に名前を付ける際は後々のことを考えろよ」


「…はい」


「というかお主は儂に謝れ~!」


 謝る気は一切、ありません!


次の次の話で二週目に突入します!

それではまた次の話で!

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