七十六話 依頼内容は臨時教師です!
ということでアルカデミア島で臨時教師をします!
「おい!起きろ!」
アルカデミア島に着いたのはいいがティナが起きない。
「…仕方がない」
おぶっていくという手段もあるが今回は無理だ。
なので悪夢を見てもらう。
「悪夢」
その名の通り、悪夢を見せる魔法である。
「うわあ!…ソフトクリームが世界からなくなる夢を見ました」
「それは大変だな原材料の点で。着いたから降りるぞ」
「そうなんですか!」
「言い忘れた。これを付けろ。それと鎧服を着ろ」
夜真砥から仮面を渡された。
私も変装するの?
「今回の依頼は正体がバレルとマズい。だからティナも変装してくれ」
「わかりました。…そういえば朧さんは?」
「ここよ」
朧は何もない場所から出てきた。
俺が忍び足で隠れるように命じた。
「月夜は剣になってもらっている」
「今回の依頼って外部に漏れるといけないんですか?」
「別にいいがその方が依頼の進行に障害が出なくなるからな」
じゃあ、それほど重要な依頼じゃないんだ。
二人は船から降りてアルカデミア島に足を着けた。
「ここが通称、学園島と呼ばれているアルカデミア島だ」
「何かジャックさんの会社に似てる!」
「技術が進歩した島や大陸では木材やレンガなどで建てるのではなくコンクリートで建てるところが多いんだ。アルカデミア島は技術面では最も発展している場所だ」
さて、この島は初めてだし道を聞くしかないか。
なんせ学園島っつう俺には無縁の島だからな。
俺は近くを通りかかった学生を呼び止めた。
「すみません。このアルフェアン学園ってどの道をたどったら着くんですか?」
「アルフェアン学園ならこの道を真っ直ぐ行って中央広場の看板通りに行ったら着きますよ」
「ありがとう」
「あんた達、サーカスの団員かい?」
サーカスの団員ね。
確かにそう見えてもおかしくないがサーカスの団員がこんな島に用はないだろ。
「臨時教師だ」
「臨時教師ってまさか!…まあ、頑張ってくれ」
やっぱり面倒くさい依頼だ。
学生の言葉からして俺が臨時で持つクラスは絶対に何かある。
「何かありそうですね」
「百パーあるな」
夜真砥とティナは中央広場まで歩いていった。
「さて、看板はどこにあるんだ…」
「いっぱいありますね」
「確か十五ほど学校があるらしい」
こんなに学校を創るなんて初めてこの島に学校を創った人は変わり者ですね。
「ひーふーみー…どんだけ分かれ道あるんだよ」
「二十一」
「喋るな」
「了解」
バレたらどうするんだよ。
精霊剣って結構、珍しいんだぞ。
「ありました!」
「よくやった!」
「ありがとうございます!」
一番上から時計回りで七番目か。
しっかしこんだけ分かれ道、作って万が一、侵略戦争とか仕掛けてきたらどこに避難するんだよ。
「行くぞ」
「歩いてですか…」
「そうだが」
「ここから三キロありますよ」
マジですか…。
何か移動手段とかないのか…あった。
「よかったな馬車があるぞ」
「助かりました~」
「アルフェアン学園まで行けるか?」
「はい、アルフェアン学園まで行きますよ。お二人で三百グリアです」
金、取るのか。
「はいよ」
「お客さん、三百グリアですよ。六百グリアではありません」
「チップとして取っておけ」
「ありがとうございます!」
無賃乗車は違法だから。
二人は馬車に乗ってアルフェアン学園に向かっていった。
道に迷いましたが次回、学園に到着します!
それではまた次の話で!