六十九話 毎回、思うことだが見た目で判断するな
今回はヴォルカン島でのお話です!
第五章の舞台はもう少しで行きます!
ヴォルカン島、火山島であり危険種つまりS級並みの魔物が街を出ればいたるところにいる。
ゆえに冒険者がこの島には自然的に集まっており鍛冶屋、ギルド、道具屋が発展している。
まあ、ほとんどが腕試しに来るバカばっかりだ先ほど言ったとおりS級並みの魔物がいるので死体は回収しないなのでバカのなれの果てが彷徨いている時もある。
安全地帯と言えるところはたった一つだけの街と火口の深奥だ。
深奥にはなんせ化け物みたいに強い魔物が眠っているそいつの確認をするのは序列五十位以上の冒険者であって一週間に一回のペースで確認しているちなみに今週が俺の番だからついでに見ていくなので一年に一回の頻度でこの島に来る。
「温泉!温泉!温泉、あるかな~」
「あるぞ朧、ただし沸騰しているヤツがな」
「うっ…遠慮しておく」
朧の温泉好きは相変わらずだな。
百鬼の時は戦終わりに必ず温泉に入ってたし。
「厳つい人がいっぱいだ~」
「どれも雑魚ばかりよ」
確かに今日は何人死ぬのやら。
「月夜、朧の付き添い頼んだ」
「了解、マスター、ギルドカード貸して」
「ほい」
「何でギルドカードがいるんですか?」
「月夜が俺の契約精霊だという証拠のため」
ああ、なるほどね。
さて、見送りしたしこっちの用事をさっさとすますか。
「今から何するんですか?」
「注文していた武器を取りに行くのとお前の装備一式作ってもらうためこの島、一番の鍛治職人のところに行く」
しばらく街を歩いて大きな鍛冶屋の前にやってきた。
「おいおい!何で親方を出してくれないんだ!」
鍛冶屋のカウンターで大男と小さな男の子が言い合っていた。
「もめ事ですかね?」
「だろうな」
「言ったはずだ。目利きの力がない者に親方の装備は使わせないと。それに親方は今は出かけている」
「そんなのどうでもいいだろ!俺はギルドランク序列六百位なんだぜ!そろそろ有名店の武器がほしいんだよ!」
バカだねぇ。
装備一式を有名店でそろえても使用者がお前のような輩じゃ武器が泣くぞ。
「ちょっと失礼」
夜真砥は大男の前に割り込んだ。
「注文の品、取りに来たぜ」
「生憎だが親方は今はいないとこのガキが言ってたぞ」
「これ親方」
夜真砥は大男が話していた男の子を指差した。
「は?」
「ということだ。俺が親方だと見破れないお前に俺の武器はやれんよ」
「…嘘だろ」
「嘘じゃないドワーフ族って知ってるか?」
大男は何かを察したのか渋々、鍛冶屋を去っていった。
「それとまた来ても答えは一緒だ!俺、記憶力いいから」
「夜真砥、ドワーフ族って何ですか?」
「ざっと説明するとこういった仕事が得意な小さな種族」
そういえばサルディア帝国でこんな人いた。
「小さいとはなんだ!ドワーフ族でも大きいほうだ!」
「俺の腰より少し上ぐらいだろ」
「うるせぇ!今日は何の用だ。どうせ注文するんだろ?」
「こいつの服を作ってほしい」
ああ、私の装備を作るんだ。
うん?服って装備?
「鎧系の方のか?」
「当たり前だ」
「てか、この嬢ちゃん誰だ?」
「元魔王の娘にして俺の唯一の弟子、ティナ・キャロルだ」
「嬢ちゃんが例の…って魔王の娘!?」
「元な。それと言いふらすなよ。ギルド上層部の人間しか知らないから」
「言いふらさんよ。嬢ちゃん、俺が夜真砥専属の鍛治師、ロック・ボーデンだ。気軽にロックと呼んでくれ」
そう言うとロックさんはお辞儀した。
先ほどの大男に見せていた子供っぽさはなくなりドワーフらしい貫禄が出たような気がした。
ということで装備作り開始!
それではまた次の話で!